2011年12月21日水曜日

卵8割減、鶏肉5割減・・・

久しぶりに農場主と会った。その後どうしているか気になっていたので。
彼の農場の主力商品は鶏。鶏肉と卵。有機栽培で育てた鶏。これを使った親子丼は絶品。

淡々として彼は語る。「卵の出荷は8割減、鶏肉5割減ですよ」と。全国的にそこそこ有名な彼の農場の鶏。県内だけでなく県外の取り扱い多い。取り扱うところが減ったという。いや、激減。もちろん卵も鶏も「未検出」なのだが。

彼の友人の酒蔵も取り扱いが急激に減ったという。福島市の大波地区で米からセシュウムが検出されて以来。

卵の出荷は明日までと言う。農場の“最後”の卵、買いにいかないと。鶏肉は来年2月で終りにするという。

約束の時間に彼は遅れてきた。理由。業務用の大冷蔵庫、冷凍庫が故障したという。とりあえずの復旧に80万円かかるという。

「なんだい、弱り目に祟り目だね」。亭主の言葉に彼は黙ってうなずくだけ。

日本各地だけでなく外国にも知人がいるという彼。先月イタリアの農場に行ってきたと。完全に自給自足の村に。学んだことが多いとか。

鶏をやめて、あらたな事業を始めようと考えていると。もちろん野菜も作っている。毎日線量計とにらめっこ。

積極的に“除染”はやらないことにしたという。除染ではなく“移染”だからと。除染した水は川を汚すだろうし、たとえばゼオライトの吸着させても、そのゼオライト材の処分が出来ないだろうし。ゼオライト材を置いたところは高線量になるだろうし。

大赤字を抱えながら、次の一手を考えている。土と一緒に暮らしてきたものの気概。「身土不二」が彼の信念。

別れてから気がついた。彼は「風評被害」という言葉を一回も使わなかった。言わなかった。被害者だけど被害者になりたくない。加害者を追及したり、加害者のせいにしても始まらない。そんな気持ちがあるからだろうか。誰かを、どっかを責める言葉もなかったような。

現実を見据え、次に踏み出すことを考えている。広大な農地を使って「研究施設」、もちろん放射能と農業にかんするような、そんなことが出来たらいいなとも考えているような。

まだ45歳。その気があればやりなおせるさ。新しい「農」のモデルケースを作れるかもしれない。

いろんな人が、人たちがいる・・・。

彼の農場の卵。絶品である。太鼓判押す。その卵と会えなくなる・・・。

2 件のコメント:

ながい さんのコメント...

こんばんは。
いつもブログを見ております。
おいしい卵をつくる農場がなくなるということに、非常に驚きました。
そして、残念です。
なんとか残せる道はないのでしょうか。

亭主 さんのコメント...

ながいサマ
ありがとうございます。感謝。
鶏・・・いかんともしがたいかも。農地の汚染を考えたら、そしてかれは有機農法や自然食品に非常にこだわりもっているので。
どうもあそこの鶏は「おっぱなし」で育ててみたい。鶏舎もつかいながら。
「決断」を支持してきました。
これも福島の現状・・・。