2013年10月5日土曜日

「家に帰ろう♪」

大船渡出身で仙台を中心に活動しているLAWBLOWというユニットがある。
大震災後、彼らが作った曲の一つ。

「家に帰ろう」

♪いつか家に帰ろう いつか家に帰ろう
僕の心の中でいつも暖かい光を照らす場所へ
僕が生まれ育った町を呑みこんだ奴は
奇しくも僕の大好きな海だった・・・♪

♪前を向いて歩こうとテレビで誰かが叫んでた
変わり果てた景色の何を見て歩けばよかった・・・
カバンの中には必要なものだと思っていた
使えない携帯と財布
必要なものだと思い込んでいた・・・♪


そんな歌詞だ。被災者の彼ら自身が作った・・・。

LAWBLOW。バンド名。なんと訳すのか。法律に背くものではないはず。
復興者と置き換える人もいる。

一昨年作られた歌。その光景はまだ多くそのままだ。歌は今に生きている。


ハイスタ系のフアンである若者は、原発事故の故もあり、家族とともに余儀なく郡山を去った。
横山健のライブに行った。そのミュージシャンンはそこでこう言っていたという。

「音楽では世界は変わらない。音楽にケツを蹴り上げられて、熱い気持ちになった人が行動して、そうして世界は変わっていくんだ」。

この言葉を送ってきた彼には、もう帰る家が無い。郡山には。
ケツを蹴り上げられるために時々郡山に来る。

家に帰ろう。帰りたいけど帰れない人たちが15万人もいる。汚染された土地、汚染された家。野生動物に食い荒さえた家。

建物としての家はある。しかし、そこは家では無い。
「暖かい光の照らす場所」では無いのだし。

秋、夕暮れが速くなった。薄暗い町。人家の灯りとぬくもりが恋しい季節。

季節すら無情なるかの感あり。

コヒー豆を買いに行きつけの店に行ってきた。雨のせいか人影はまばら。

店内の有線から流れていた音楽。カバー曲を集めたものらしい。若い女性歌手が歌っていた。
♪上を向いて歩こう♪

その淡々とした歌い方が、余計に曲を引き立たせる。

思い出す夏の日、思い出す秋の日・・・。
悲しみは星の影に、悲しみは月のかげに・・・。

出されたコーヒーを飲みながら、聞き慣れていた歌が新鮮に聞こえる。コーヒーの香りとともに。

束の間の心地よい時間を持ったことにすら、どこか戸惑いを覚える。

家に帰る。犬が心地よさそうに、自分の居場所で寝ている。

何にも終わっていない。そして、何も始まっていない・・・。

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