2014年5月11日日曜日

ジグソーパズルは壊れたままなのであり

朝、窓のカーテンを開けると隣の田んぼに水が入り始めていた。早速、どこからか野鳥が飛んできた。一羽、二羽、三羽・・・と。カエルの声が聞こえるはず。
でも、いつもの季節より水張りが遅い。水を張っても、代掻きをする人、苗を植える人手が少ないとも聞く。

除染の仕事に回っている人が多いからと町内会長の説明。

知り合いの旧家に届け物に行った。やや雑然とした庭や周りの光景。
「植木屋さんに頼んでいるんだけど、除染が終わるまでは手が付けられない」っていわれたとか。

その家の周りは竹の子や山菜、山椒、ワラビがあるはず。

ホームセンターに寄った。母の日。カーネーションを買う人たち。
花やハーブ系の植物が山のように並べられている。

顔見知りの仮設の人とぱったりの出会い。
「いい季節だ、せめて花でも育てないとな。土をいじってないとおかしくなっから」。

それぞれがパーツ、パーツの光景。そのパーツがうまく重ならないのだ。

前にも書いたかもしれない。ジグソーパズルとしての福島と。壊れたジグソー。そのピースピースを拾い集め、埋めていく作業の福島と。

ピース、ピースは見つかった。でも、そのピース自体が形が変わってしまっていた。もううまくはめ込めない。
そんな今の福島。

人間関係がおかしくなっているのだ。形が変わってしまったのだ。

カネは人間のこころをむしばむ。3年前にも書いた。原発誘致、建設でカネがばらまかれた。シャブを打たれた。
シャブをうたれたからだは、時が経つと、シャブが切れてくると、またあらたなシャブをほしがる。2Fはその第二弾のシャブだった。

そして、7,8号機までに手を伸ばそうとした・・・。あの双葉町だって。

そして事故。補償、賠償でもまたシャブ。中間貯蔵施設建設でも、またシャブ。

シャブを巡って県民同氏がいがみ合う。風評被害という見えるようで見えないものを敵視する。
振り返ってみれば、味方の中に敵がいたということ。

カネが人のこころをむしばんでいく。いがみ合いの原因を作る。

かつて在ったピースは、そうではなくなった。

放射能汚染からだけではない。人間関係の“汚染”から逃げ出したくて「自主避難」する人だっているのかもしれない。
自主避難をしていた人たちが、なかなか戻ってこない。“こころの汚染”と立ち向かうことの苦しさがわかるからだ。

すでに廃校が生まれている。人口減。廃炉を待たずに廃村、廃町が生まれるかもしれない。

だから思う。元あったジグソーパズルは作れないと。形を変えたピースで新たなジグソーパズルを完成させなくてはならないのではと。

田んぼにやってきた野鳥が餌をくわえて飛んで行った。
除染されていない我が家の庭。その脇にいつの間にか生えていた蕗。煮物にして食卓にあがった。

ほろ苦く、かぐわしく、まさに季節の味覚だった。命の恵みをもらったような感傷にすらひたる。

食に供されない食物の数々。放置されたままに山野。野の食べ物も、そのピースの一部なのか。

非日常が日常になってしまった現実。5月の眩さの中での妄語。

6 件のコメント:

八海 さんのコメント...

亭主さま

お久しぶりです♪

震災以後、山菜や茸をあまり食べなくなりました。

季節折々の山の恵みは、
大人になって好きになったものの一つです。

遺されたパズルのピースで
どのように故郷を再生していくのか
私たち一人一人が
真剣に考えなければならないと思います。

亭主|瀬川 賢一 さんのコメント...

八海さま
ほんと久しぶりで。
旬の野菜を食べるって一番身体にいいとか。しkも、必要な野菜系が自然に生えて来る。まさに身土不二。ピース拾って完成させましょ。

八海 さんのコメント...

コメントは久しぶりですが、
毎日拝読しています。

講義録もすべて読ませていだだき
心に留めおく言葉にも
出逢いました。

いつまでも発信する『尖った紳士』で
いてくださいませ。

かんか

亭主|瀬川 賢一 さんのコメント...

八海さま
ありがとうございます。とんがった893で行きます。皆いい塾生でしょ?
明日は塾。「海を見る自由」という高校の卒業式メッセージを紹介してみるつもり。これ、お勧めですよ。

八海 さんのコメント...

おはようございます。

本当に良い塾生さんと学びの場ですね。

『海を見る自由』以前、触れていらした際に
読ませていだだきました。

対峙する自由を得た大人として、
恥ずかしくない生き方をしなければいけないと、
反省しながら、読みました。

尖った893素敵だと思います。

亭主|瀬川 賢一 さんのコメント...

八海さま

毎度ありがとうございます。

いい子たちですよ。みんな。

「海を見る自由」、読んでいただけてうれしいです。
こういう教育者のもとで育った子供たちはきっと得ること大なりと思います。

あの校長、さらにいい言葉を与えています。次年度も、その翌年も。

いちどゆっくりお話しでも。