「去年今年 貫く棒の如きもの」。高浜虚子の句である。
1秒という時間で年が変わる。今年は去年の延長であり、一本の棒によってつながっていると解するべきか。
「棒」とは時間なのだろうと考える。年が変わろうが変わるまいが、時間は流れる。方丈記の「ゆく河の流れは絶えずして」という記述にあるように、時の流れだけは止まらない。
「時間」という代物は、頼んだわけでも無いのに勝手にやってきて、勝手に去っていく。
毎年のように思う事だ。
年が明けたら、「穏やかな正月」という願いもものかは、トランプは、イランの革命防衛隊のソレイマニ司令官をドローンで殺害した。
その端緒は去年の12月30日にある。
アメリカによるイランへの基地を狙った爆撃。そして米軍の反撃ともいえるソレイマニ襲撃。
イランは報復に出る。イラクの米軍基地をミサイル攻撃し、「第三次世界戦争」という言葉も脳裏をよぎった。
トランプのいわば「思いつき政治」がさらなる戦争を予感させたが、政権内の諫言をいれて、両国の関係はとりあえずは“落ち着いている”が。
とばっちりを食ったのがウクライナの民間機。イランのミサイル攻撃で搭乗していた176人が全員が死亡した。
誤爆だったとイランは釈明、謝罪。
「中東は火薬庫」という見方は今も続く・・・。火種は常にくすぶっている。
安倍は“沈黙”でやり過ごした。イランとは良好な関係にある。アメリカには楯突くわけにはいかない。
ゴルフ三昧で、何も語らず、時が過ぎるのを待つ作戦にでた。
そして、「戦闘地域」に近い中東に、自衛隊を派遣した。日本のタンカーを守るためにとして。
そして安倍は中東3国の意味なし外遊に出かけた。サウジ、オマーン、UAE。
「積極的平和外交」が何を指しているのか。
自衛隊の派遣に理解を求めるために、だそうだ。
またも夫人同伴だ。“私人”である限り、彼女の旅券は外交旅券では無いはず。
航空運賃の払うべき。
そんなことは誰も意に介さない。
アメリカ、イランの戦争勃発を懸念して、原油価格は高騰している。
株価も乱高下。
街のガソリンスタンドでは、すでにレギュラー150円になっていた。安いスタンドでも。
強固なナショナリズムが台頭し、定着化している。
7月からのオリンピック。
警備費を強化して総額3兆円のオリンピック。
カルロスゴーンの「国外逃亡」許したように、各所に“穴”がある。
オリンピックが無事に終了するのかどうか。
危惧の念はより高まる。
選手や関係者の「安全」を最優先させるため、市民生活は不便を強いられる。
しかし、何があろうと、少なくともテレビは、すでにして「メダル」の話題に血道を上げ、やはり、国威発揚、強固なナショナリズムを作り出すことに専念している。
「めでたさも中くらいなりおらが春」。一茶の句が身に染みる。
2020年1月12日日曜日
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