戌年が終わろうとしています。戌は犬。世間のお犬さまはわが年をそれぞれ謳歌したのでしょうか・・・。
銅版画家の山本容子さんはその著書「犬は神様」で、面白い「発見」を記されています。
銅版画家は版画の性質上、しばしば物事を反転させて考える。あるとき犬(DOG)を反転させると神(GOD)になった。そう、犬は神様なんだーと。
わが意を得たり!。モノグラムの妙か。犬という動物がこの世に存在したときの神がその動物を自らの使いとしてDOGと名づけたのかと思考が飛ぶほどの置き換え。確かに。納得。我が家においても犬は神様なのです。散歩を催促し、ごはんを催促し、わがままいっぱいに暮していますが、彼や彼女からどれだけ"愛"を貰ってきたか・・・。「犬の眼はキリストの眼に似ている」。遠藤周作が書いていましたが、常にどこか憂いを含んだような犬の眼はたしかにそんな表現がぴったりです。犬が人間に与えてくれる愛。それは無償の愛。犬の目によってどれだけ癒されてきたでしょうか。犬の仕草にどれだけこころ穏かにされたでしょうか。
戌年。例えば徳島の「崖っぷち犬」。お騒がせクン。やっと人の手から餌を食べるようになったとか。恐る恐る口にする姿は、どこか、かつては捨て犬状態だった我が家の「澪ちゃん」に似ています。今は「主」のようですが。
年末、もしかしたら「神様」がもう一頭我が家にくるかもしれません。先輩と後輩。神様同士が仲良くできるのか。きっと仲良くするでしょう。
そのうち、どこかに、我が家の犬の話、かかわった犬の話を書いてみようかな。「神様」のことを書くのはおこがましい気もしますが。沢山の"愛"をくれた犬へのエピタフを記すのも、貰ったもののすべき事かもしれない。そんな気持ちになる戌年の暮れです。