今年の冬は「死」を伴ってやって来た。
郡山の親友が亡くなった。74歳。
彼の闘病、そして死。
あまりにも想うことが多く、ブログに手を出せなかった。
毎日のように、彼のことを考えている。
人は二度死ぬと言う。一度目は命の火が消えた時、二度目はその死者の事が人の記憶から消え去った時。
乞われて彼の追悼文を書いた。多くの時間を必要とした。
その文章の中に、決して君を忘れないと書いた・・・。
僕が大好きな詩を彼に送る。彼はこのブログの読者でもあったから。
ああ智慧(ちゑ)は かかる静かな冬の日に
それはふと思ひがけない時に来る
人影の絶えた境に
山林に
たとへばかかる精舎の庭に
前触れもなくそれが汝の前に来て
かかる時 ささやく言葉に信をおけ
「静かな眼 平和な心 その外に何の宝が世にあらう」
三好達治の冬の日と題した詩の一節だ。
きょうの郡山は風が強い。風に悩まされながら、彼には「風と共に去りぬ」という映画の題名が似合いそうだ。
一人の男が死んだ。世の中の動きは全く変わらない。
歳末という事で気ぜわしく、慌ただしい光景。
この季節が嫌いだ。厭だ。
劣化した政治は劣化したまま年を越す。
政治が何をもたらしたのか。
少なくとも生活保護者にとっては「暖かい冬」は望めそうもない。
なにやら、この国は「富者」のためだけに存在しているようだ。
愚かな為政者は周りを一層「お茶坊主」で固めている。
自ら“裸の王様”への道をひた走っているような。
戦争の足音が近づいているような思いがある。巨額の財政赤字を抱えた国が、企業ならとっくに“破産”しているかもしれない国がトランプに脅されて、巨費を投じて兵器を買う。
昔からそうであったように、日本はアメリカの兵器産業を儲けさせている。
核の抑止力という神話はもう崩れている。通用しない安全保障の根幹となる理念にいまだにしがみついている。
国の予算は再来年には100兆円を超えるかもしれない。
悪知恵の働く奴らが国民の税金をむさぼろうとむらがる。
沖縄の基地問題は、原発が抱える諸問題は、高騰する野菜や魚の価格は・・・。
群雄割拠の戦国時代では無い。首相一強の時代。乱世なのだ。
正月飾りに南天を買った。270円。
「一度だけ本当の恋がありまして南天だけが知っております」。
山崎方代の句だ。
三好達治の詩に救いを求め、方代の句にやすらぎを求める。
友の死が連れてきた錯綜する感情のもろもろ。
どこかで切り替えてしかと書き続けねばと。
2017年12月28日木曜日
“チェルノブイリ”異聞
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