明けましておめでとうございます。と通り一遍の“言葉”にて。
年始のお目汚しとして「テレビ」について書きます。
時代の“還暦”、60年前の1958年、昭和33年。テレビの契約件数が100万件を越え、東京タワーがテレビ塔として完成した年でした。たしかNHK,NTV,TBS、CXは開局しており今のテレビ朝日が開局を目前に控えている時でした。
テレビはかつてラジオが箪笥の上に鎮座していたように、家族が集まる「茶の間」に存在しました。
テレビとお茶の間、いまもこの表現が使われています。密接不可離の関係にあるとして。茶の間の娯楽、それがテレビと言うものの位置づけでした。
外国のテレビ映画が時代を作っていきました。
今、「お茶の間」というものは存在しないと思います。丸い卓袱台を一家全員で囲む。そんな光景は無いにも関わらず、未だにテレビには「お茶の間」という肩書が付けられています。
その表現の不可思議さが、今のテレビそのものの不可思議さでもあるのです。
一億総白痴化。大宅壮一が喝破した見方は今でも通用するようです。
受像機は四角い箱から横長になり、カラー化され、ハイビジョンとなり、今や4Kとか8Kとか登場します。より高精細、高画質のものとなるようです。
音質も優れたものになりました。
アナログ放送がデジタル放送になった。国策で。完全デジタル化された時、ネットが“相乗り”し、放送と通信の融合と言われました。
5,1サラウンドなるスピーカーが開発され、画面が横長になり大きさを増しました。液晶画面が出来、薄型になりました。
5,1サラウンドスピーカーシステムは数年で姿を消しました。
余談のようですが、原発事故の後作られた多くの仮設住宅、その4畳半の部屋には全く不釣り合いな液晶大型テレビが東電によって”配布“されました。
することが無くなったお年寄りは目の前にあるテレビの画面を日がな見入っていました。
受像機が進化するとともに、内容も進化したでしょうか。答えは否です。
娯楽であったテレビは、報道機関としての使命を持つようになった。
マスコミというカテゴリーの中に入った。
情報番組なるものも出来上って行った。
最近の一例。連日無言の沈黙を守る貴乃花に突き出されるマイクを怒声は何を意味しているのか。
公道を占拠しているマスコミに近隣の住民は迷惑を蒙っていることを彼らの思考は及ばない。
震災報道が一段落したあと、テレビは震災前の「かたち」に戻った。
震災を経験して、テレビの在り方を考え直そうという人達が少人数はいたものの・・・。
元テレビ屋が今のテレビを慨嘆する。滑稽なことだが。
テレビは視聴者のことをどれだけ考えているのか。視聴率という数字にだけ関心があるのでしょう。
視聴者、つまり一般市民がもとめているものを伝えているのか、放送しているのか。自分たちがこれがニュースだと思い込んでいる物を押し付けてはいないのか。
政治の有り様と同じじゃないですか。政治家が思い込んでいる政治と国民が求めている政治とには大きなかい離がある。
政治とテレビは同じ立ち位置なのではないでしょうか。
年末・年始、4月と10月の改編期、テレビはやたらと長時間の特別番組を流します。
芸能人というかタレントというか、アナウンサーも交じってただただうるさい。
意味なく笑い転げてる。彼らの笑いは視聴者の元には響かない。
長時間の特別番組の中でニュースは消し去られている。正月だって考えねばならない、知らなければならないニュースはあるはずなのに。
知りたいことにテレビは応えていてくれていない。
バラエティー番組なるものの中では、多分番組収録後は捨てられるであろう豪華なおせち料理がスタジオに並べられている。
おせち料理どころか日々の食い物に事欠いている人も居る。
その人たちは特別の少数だ。
しかし、そんな少数に人たちの年末年始の実相を伝えることにテレビの存在意義があるのだと思うのですが。
科学技術の濃厚な進歩、それに反比例するテレビ人の思考の希薄さ。
そして映像を潰す字幕スーパーの多様。
テレビがつまらない、テレビはおかしい、テレビ死ね!
去年話題になった一市民の“叫び”を真似てみました。
我が家のテレビは消えています。年賀状に見入っていました。旧友、知友と”会話“していました。
つまらぬ年頭の「所感」。
嫌がらずに今年もお付き合いください。
2018年1月1日月曜日
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