またテレビについて書きます。
年末・年始の大型特番もそろそろ終わり。レギュラー編成となり落ちつきを取り戻したようです。面白いか、つまらないか、くだらないかは別にして。
テレビ業界に「引っ張る」という言葉があります。
たとえばスポーツ中継、中継録画。競技は1時間半でも番組は3時間です。
VTRを多用し、それも何回も繰り返し番組に仕立てていく。
そこのCM枠が上手く織り込まれる。CMの間にチャンネルを、チャンネルという言葉もある意味“死語”です、もうチャンネルと言う装置はテレビには付いていないのですから。リモコンボタンだけですから。それはさて置き、チャンネルを切り替えられないように、盛り上がった場面でCM入れて待たす。
ドラマでもこの手法は当たり前です。次の興味ある部分に行く前にCMを入れる。
「う~ん、引っ張るな~」が感想です。
言わずもがな民放テレビはCMという広告収入が「売上」のほとんどを占めています。いわずもがな視聴率の悪い番組にはスポンサーがつきにくい。
CM枠を自社の番組の番宣にあてる。
CMは無いけどNHKの番宣は執拗です。しかも番宣番組と思われるものを恥じらいも無く流し、たとえば大河ドラマや連ドラの出演者を他の自社番組の中にどんどん投入する。
CMは文化であり、世相を的確にとらえた内容がかつては多数みられました。
「オ~モウレツ」から「24時間働けますか」。それが「モーレツからビュティフルへ」となる。
今のCMは総じて五月蠅いです。
車のCMはちょっと前まではスピードをうたっていました。今の車のCMは「止まる車」です。事故防止ということで、運転がやさしいということで。
警察庁の発表では交通事故死は大幅に減少しているということです。
車の“性能”が強化される以前の統計です。
車と言えば「3・11」直後、CMが「再開」されてからしばらく経ってトヨタの「ReBORN 」というCMは秀逸でした。キムタクとビートたけし。
東北道を北上し福島はじめ東北をたどる。信長や秀吉らも登場させ。いろいろなタレントを使い。
強烈なメッセージ性が込められていました。被災地への愛が感じられました。
「3・11」は今やCMの世界からも忘れ去られました。
豊かで子贅沢な世界がCMを占拠しています。化粧品と健康食品、くすり。
メッセージはおおよそ存在していません。
それが今のこの国の「文化」ということなのでしょうか。
テレビは2兆円産業といわれていました。広告費のことです。
いまは1兆8千億くらいにさがっています。
ネットにCMがシフトしているのか。
“茶の間”のテレビはついている。その前で若者はスマホをいじっている。新たな「ながら族」。スマホからも広告は流れています。
分岐点の一つを見る思いです。
2018年1月5日金曜日
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