2018年2月26日月曜日

戦争が祭りの後に立っているのか

ピョンチャン五輪が終わった。
日々伝えられる日本選手の活躍に国中が湧いた。
「努力は必ず報われる」と競技結果を伝える新聞は書いていた。
なんともありきたりな文章だ。
運が付いて回っていることもオリンピックは証明している。
天候の問題もあれば、他人のミスに巻き込まれるという不運もある。
運は努力で克服出来るものでは無い。

このオリンピックほど政治が外交が介在した「平和の祭典」は無い。
競技とは別に政治の陰が見え隠れしていた。
競技中は選手が主役だったが。

開会式には金正恩の妹らを送り込み、閉会式にも「高位級代表団」を送り込んだ。
韓国の文政権も「政治利用」した。南北融和、祖国統一という旗印を掲げて。
アメリカもそうだ。トランプの愛娘を送り込んだ。
東アジアの戦争の火種となっている北朝鮮とどう対処するのか。

安倍のオリンピック利用外交は徒労に終わった。閉会式には要人は行かない。
行っても無意味だからだ。

なぜ北朝鮮はこれほどオリンピックに“介入”してくるのだろうか。
北の真意や真相は不明だ。なにやら蠢く中国も不気味だ。
祭典が終わらぬうちからトランプは北への制裁を打ち出している。
「瀬どり」を阻止し、それが成果を挙げないのなら次は軍事行動だと威嚇している。

北朝鮮と米国が会談する用意があると北は言った。
アメリカは警戒感を抱きつつも双方腹の探り合いと言うところか。
常に軍事的行動をちらつかせるトランプ。

とにかくトランプと言う男は暴力的な男だ。
武力で事を解決すると言う思想の持ち主だ。
フロリダ州の高校の銃乱射事件を以って、教師に銃を持たせ、持った教師にはボーナスを支給すると言う。
銃でアメリカ社会の病巣である銃社会の秩序が保てるとは思えない。
教鞭の代わりにライフルを教育の場に持ち込むと言う発想。
トランプとはあのカードのジョーカーのように“悪魔”だ。

核をもてあそぶような金正恩と発想は同じなのだろう。
似た者同士の争いと笑って済ませる訳にはいかないのだ。

きのう長年の親交がある元外交官とあった。「アメリカ」についてもろもろ話した。彼は全くの保守の人間だ。
全米ライフル協会といういわば極右の様な団体からの資金援助。それらの人を核とする35%という数字の熱狂的トランプ支持者がいるということ。
彼を辞めさせるには弾劾しか道は無いだろうという事。
アメリカと言う国の威信は大きく揺らいでいるということ。
トランプをどうにかしないと世界の秩序は維持できないかもしれないということ。
そんな事を彼は外交官の矜持を持って語っていた。

聖火がゆっくり消えて行った。アリランの歌声が郷愁を誘った。
次にともるのは聖火ではない。戦争と言う火だ。そんな予感が杞憂であって欲しいと願うのだが。

日本の政権はアメリカに、トランプに追随している。安倍の堅い支持層も35%だ。

米朝もし戦わば。日本は完全に巻き込まれる。
それがもたらす惨禍は・・・。

五輪でメダルを獲得した選手たちは凱旋帰国してくる。出迎えの歓喜の声が湧く。テレビは「後日談」で選手を引きずり回すだろう。

華やかな宴の後はさびしい。その寂しさが戦争と言う悲しみに変わったのでは選手たちがあまりにも気の毒だ。

オリンピックで「戦」という言葉を使うのは止めようよ。あくまでも「競」であるべきなのだから。
「競」であるからこそ結果が出た後にお互いを称えあうことが出来るとのだと思うから。
それを立証してくれた選手もいる。

取りあえずオリンピックと政治について書いてみた。オリンピックと政治は“密接”につながることは否めない事を再認識した次第。

“チェルノブイリ”異聞

  ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...