地球は“異常気象”に覆われた。
日本でも熱中症という言葉が連日メディアから伝えられている。
豪雨に見舞われ、災害大国の様相を見せている。
どことなく秋の気配が感じられる昨今、連日思う事の大なる日々。
アジア大会が行われている。
アナウンサーは「日の丸を背負って」と絶叫し、「国家の威信をかけて」と「定型文」を読むかのごとく“国威発揚”を煽る。
挙句、いつものごとく「国民的」を連発。
この「国民的」という言葉をどう理解しているのか、どう考えたのか。
ありきたりの言葉のつなぎ合わせのテレビ。
水泳で6冠に輝いた池江璃花子選手を好ましく思った。
競技の前に彼女はプールに軽く一礼する。プールから上った後も一礼する。
フィギアスケートの羽入選手もそうだった。リンクへの一礼を欠かさなかった。
陸上競技でもそうだ。ゴールのあとコースに一礼する選手を見かける。
「自分を試してくれた場所」への敬意の表れとみる。
表彰式、君が代が演奏され、日の丸が揚る。君が代を歌う姿には口先がかすかに動いているだけだ。
高校野球で背中を反らせながら校歌を高らかにうたう金足農業の選手の姿は見事だった。
「校歌」という自分たちの歌を持っていた。
「国歌としての君が代」「国旗としての日の丸」。難しい問題が存在している。
そもそも日本には国歌や国旗は存在していなかった。
明治政府になって国家を作るように芸大に依頼があった。
苦吟した芸大の教師は、万葉集の中の詠み人知らずにあった「君が代は」という句を“引用”した。君とは恋人を詠んだものであり、幾久しくキミとの恋が続きますように。そんな恋歌だとして君と大君とを掛けた様に歌詞が出来上がった。「君が代」とは天皇を指したのではないと。そういう「説」がある。
国旗も存在していなかった。維新軍が使ったのは錦旗だった。天皇の象徴として。
国歌国旗法が成立したのが平成11年。小渕内閣時。議会は満場一致で可決してはいない。
すべての国民の賛意でできたものではないという「曖昧さ」。
国民の血肉となるかのような位置づけでは無いという“運命”。
それがこの国の歴史だ。そこには70年以上前の戦争が大きく翳を落としている。
来年、元号が変わる。天皇も変わる。それを一つの契機としてすべての国民が支持し口に出来る国歌は出来ないものだろうか。
自分たちの歌、自分たちの旗を持たない国民はある意味不幸だ。
権力者たちはその立場の違いこそあれ、連日のようにその“不始末・不祥事”で「誠に申し訳ありません」と頭を下げまくっている。
その度にそれらの“権力”への不信感が増長されている。
「頭を下げればいいてもんじゃないぜ」。頭は下がるが顔の中身は笑っている。
身障者の雇用水増し。国家ぐるみの地方自治体も含めた「詐欺行為」。雇用枠を法律で決めながら守らない統治機構。
流行の「同調」か「予定調和」か。
こんな国が2年後にパラリンピックを開催するという。
嗤える。
2歳の幼児が自宅近くで行方不明になった。警察官が捜索に多くに捜査員を投入した。彼らの“捜索”はあの「棒」で林の中を叩くこと。
それは“遺体捜索”の手法だ。
78歳の7万円の年金生活者がボランティアとしてその場に向かった。
30分後にその子を見つけた。大きな声で名前を呼んだら反応があったという。
子供の引き渡しを求める警察官に言う。
「私の手で探し出し、私の手であなたに手渡す」。母親と約束した。口約束でもそれは契約だ。警察にいくら強要されても国家権力がそれを阻止しようとしても俺は自分が言った約束を果たす。
見事なボランティア精神だ。
オスプレイが横田基地に配備されるという。沖縄だけでは飽き足らず東京周辺も「危険にさらす」。
日米地位協定について国の誰しもが「異議」を唱えない。
緩み切ったこの国の姿。
2018年の8月はさまざま“異形”な月だったような。
“チェルノブイリ”異聞
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