正直、心底疲弊している。
「新型コロナウイルス」の騒擾の中で。テレビのワイドショーの無意味さが国民を混乱さす。出てくる専門家の勝手な意見にも何が正解なのか、受けとり方に戸惑う。。
事の本質を見失いがちになりそうな己への危惧。
日増しに周りからも非常時感が伝わってくる。
リハビリに通う病院。行くたびに「様相」が変わっている。
入り口で「問診表」を渡され、検温。
待合室の椅子にはテープが張られ、いわゆる流行の「ソーシャル・ディスタンシング」。
いきなりちょっと”余談“。テレビに出てくる専門家やコメンテーター、司会者。ソーシャルディスタンスと申されているが正確には違う。
コロナ騒動が始まってから、やたら「カタカナ語」が乱用されている。
エアゾル・クラスター・ピークアウト・オーバーシュート・ロックダウン・・・。
PCR・CRP・アビガン・・・。
病院の話に戻る。
マスク着用・アルコール消毒。面会禁止。雰囲気がどこかピリピリと。
院内感染を防ぐための最低手段。病院は患者を守る。患者も病院を守らないといけない。患者としての義務だ。
そんな思いでもろもろ考えを巡らすが・・・。
10年前、「感染列島」という映画があった。あらすじは・・・。
“2011年1月、東京のある病院に患者が救急搬送されてきた。その患者は異様な亡くなり方をした。悪魔のウイルスが日本に舞い降りた瞬間。当初は新型インフルエンザとされたが、そうではなかった。
感染は瞬く間に院内に広がり、医療崩壊が現実のものとなり、感染は日本列島全土にひろがった。患者数千万人。
主人公の医師は患者に血清を輸血する方法を採る。第一患者から採取した血清を知り合いとなった患者に打ち、その子は回復に向かう。
そして半年後にワクチンが完成する。沈静化に向かう。
他方、ウイルスの正体を探す医師は旧知の医師を頼りに、その足跡を追う。
ウイルスの正体は、感染源は海外の洞窟に潜むコウモリだと突き止める。“
おおよそそんな内容の映画。まさに新型コロナに揺れる今を描いたような。
緊急事態宣言が出された日の夜、早朝に繁華街を取材していたテレビカメラが、路上のゴミから逃げていくネズミの姿を撮らえていた。
ぞっとした。
あのカミュの「ぺスト」の始まりは、主人公の医師が階段でつまずいて転んだ黒い物体。ネズミの死骸だったから。
「ペスト」の終末にカミュはこう書いている。
“ペストの終息を喜び、歓喜の声を聞きながら、この歓喜が常に脅かされていることを思い出した。
ペスト菌は決して死ぬことも、消滅することもない。数十年間も、家具や布製品の中で眠りながら生き残り、寝室や地下倉庫やトランクやハンカチや紙束の中で忍耐強く待ち続ける。そして、おそらくいつの日か、人間に不幸と教えをもたらすために、ペストはネズミたちを目覚めさせ、どこか幸福な町で死なせるために送り込むのである“
今、カミュの「ペスト」という本が売れているという。さもありなん。
COVIDO-19をめぐり、この国は揺れに揺れている。
指導者の立場にある人は、なんら定見を持たない。絶望的な国。
マスク2枚を全国民に配るという愚策。466億円。
病院の看護師さんも言っていた。マスクに不自由さを覚えながらも。
肉屋の親父も言っていた。
「466億の金を医療施設の充実に回すべきだ。医療従事者の保全、保護のために使うべきだ」と。まったく同感だ。
検査・隔離だけではことは済まない。
陽性患者への治療薬が必要だ。ワクチンも必要だ。その為に国の予算が
使われるのなら納得出来る。しかし、安倍の人気取りに予算が使われることに、例えマスクに不自由している人でも大喜びできるだろうか。
今、治療薬に「アビガン」という錠剤が有力候補に挙がっている。すでに完成している薬品。投与に踏み切るべきではなかろうか。
原発事故の後、各家庭に自治体の決断で「安定ヨウ素剤」が配布された。
飲む許可を国が出さないうちに一部の人たちが飲用した。
もしかしたら、ヨウ素剤は「精神安定」の効果を発揮したのかもしれない。
「アビガン」についても同じことが言えるかも。
安倍は全国に緊急事態宣言を適用するという。
一所帯10万円を支給するという。昨日までは30万の補償だったが。
揺れに揺れている政府の、安倍の対策。
絶望的な指導者像。
絶望かー。
カミュは「ペスト」の中にこんな言葉を書いている。
「絶望に慣らされてしまうことは、絶望そのものよりもさらに悪い」と。
カミユの言葉を反芻しながら、この感染列島を「生ききる」つもりだ。
2020年4月16日木曜日
“チェルノブイリ”異聞
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