2020年12月6日日曜日

「言葉」の無い国

 

菅が二回目の記者会見に応じた。

案の定、空虚な会見だった。安倍のようなプロンプターは使ってないが、冒頭発言も手元の紙の棒読み。読むことに「全集中の呼吸」。

相変わらずの「出来レース」の記者会見。

幹事社の質問は先刻ご承知。答えは紙を読み上げるだけ。

内閣記者会と首相との記者会見は記者会側が主催することになっている。

しかし、実態はどうか。

政府側というか、官邸官僚の差配のもとに事は進行する。

代表質問をする幹事社の質問内容は官邸官僚のもとに差し出し済み。

答えは紙になっている。

幹事社以外の質問は挙手した人の中から広報官の女性官僚が指名する。

その人の質問も予め提出済み。菅はよどみなく紙を読む。

そして、時間切れでセレモニーは終わりを迎える。

 

空虚で無駄な記者会見。

 

外国特派員協会か日本記者クラブの会見に任せるとするか。

 

この八百長会見の中でも「菅語」が連発される。本題には踏み込まない。

「人事に関することですからお答えは差し控えます」。

 

一人一問と制限をされているから、菅の言うがままに終わる。

 

安倍政権時から何度も見せられていた光景。

菅の政権公約には「前例踏襲を止める」というのがあったようだ。

記者会見のあり様はまさに前例踏襲なんだけど。

 

コロナはその猛威は依然衰えない。

ウイルスは勝手に“一人”“では移動しない。

国は「不要不急の外出」を避けろと要請する。

不要不急という定義がさっぱりわからん。

片やお国は、そこにどんな利権構造があるのか、GO TO トラベルというキャンペーン張り、人間の「お得感」なるものを刺激して旅行に。手荷物とともにコロナウイルスが旅をする。

医療崩壊、それを防ぐには人の移動を止めさせることだ。

やっと、日本医師会も東京都医師会も、政府の諮問機関のような”分科会”の尾身会長もGO TOの中止を迫る。

国家はそれを是としない。規模を縮小して期間を延長して”愚策”を強行する。

 

 

旅館業を支援することにはなるだろう。観光地の商店も人の賑わいでいくらか売り上げ減の地獄から逃れられるだろう。

 

昔、諺で習った。「二兎を追うものは一兎も得ず」。

コロナ対策と経済とは同時並行には成り立たない政策だ。

 

国は、また補正予算を組めばいい。コロナに特化した予算。

医療機関の真摯な支援、経済対策ならその予算から支援金をだせばいい。

 

紙を読んで「人命第一」という言葉からは何もつたわらない。

 

バカバカしいことを書く。病院はひっ迫しているのに、贈収賄の恐れがある吉川元農相は「不整脈」と言って入院する。かつては「睡眠障害」と言って入院した安倍側近もいた。コロナ病棟とは違うが、大病院が「避難先」になって居る愚。入院する方もさせる病院側もだ。

 

紙芝居が得意な小池の姉御は5つの「小」を守れと言った。少人数で会食することを「小食」と言った。「孤食」の境遇にある人はいる。少人数で会食することを、それを我々は「少食」(しょうにん数の食事会)という。

 

「言葉を生でしゃべる能力が不足しているのが安倍さんと菅さん」。

ある識者がこんな表現をしていた。

菅にはさらに「コメントを控える」という逃げ口上が身についている。

 

自分の言葉でしゃべり、識見をのべるのが政治家の資格なのに。

 

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