2006年4月1日土曜日

年度初めのお仕事

 きょうは全国どこでも4月1日。当たり前か〜〜。入社式などもそこここで行われたとか。当店の年度初めのお仕事は講演。こいつは春から縁起がいい〜〜なんて思いながら一応無事に勤めてまいりました。
ある会社の月初会議のあとの社員全員参加の講演。お題は「企業の在り方、コンプライアンス・モラルハザード」。どういう話の展開にしようかと思い、冒頭に聞いてみました。「会社って誰のものだと思いますか?」。社長初めほとんどの人が「社会のもの」と言う項に手を上げてくれました。株主のもの、社員のものという項には回答ゼロ。なんだ、この会社、意識の上ではもう完璧コンプライアンス出来上がっているじゃないか。自分たちの会社が社会のものという意識を持っている限り、企業倫理の背くことは無いはずなです。企業倫理をモラルハザードなんて英語に変えて格好つける会社より立派な会社。だって、モラルハザードなんて言葉はもともと保険会社がリスク回避のために言い出した言葉でしかありません。コンプライアンスなんて横文字言わなくて法令順守といえばいいのにわざわざカタカナ使う会社こそうさんくさい。
企業倫理とは要は道徳、社会規範。倫理観。日本には脈々として受け継がれてきたそれらのものがあります。近年、バブル崩壊以降、「拝金主義者」が増え、なりふりかまわず金儲けを言い出した故に、こりゃ「やばい〜」と思って使い出した横文字。日本人は皆持っているはずです。正しい「武士道精神」。会津の「ならぬことはならぬ」の精神。
 国家の品格という本がベストセラーになっていますが、これも、日本人固有の道徳心を失ったことへの悔悟ゆえに覚醒のために読まれているのではないかと思うところ。企業の品格、社員個人個人の品格を高め、維持すれば、なにも横文字に頼る必要は無いはずです。
 こんなことを話しながら「先人の知恵に学ぶところ大」だと言いました。「古教井照心」。その"知恵"の一つに陽明学をあげて「知行合一」「苦楽合一」「良知」、この三つをどう解釈すればいいのかということを話してきました。道徳ということをわきまえていれば倫理違反もおこらないはずだし、危機管理も出来るはずなのだと。
 巷間、「会社は株主のものだ」と言って憚らないバカ経営者がいます。それも近代的企業、社会貢献企業だと言ってる会社に。「資本の論理が優先するんだ」と声高にいう社長さんなる人物がいます。最低です。その企業の社員はたまったもんではありません。社員は会社に愛情を持てません。そんな会社に一人の人間の一生を託しているのかと思うと悲しくなるはずです。
真剣私メの話をきいてくれている人たちの顔をみながら、ふと「悲しい会社」のことを思っていました。




“チェルノブイリ”異聞

  ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...