病院通いに明け暮れている。かなり回復してはいるものも”劣化“は進んでいる。身体も頭脳もだ。医者との間の会話には「加齢」という言葉がしばしば登場する。自分が劣化していく中で、この国の劣化を連日見聞きしていることにたまらない焦燥感を覚える。
誰かが嘘をついている。
その嘘を誰が暴けるのか。アガサクリスティーか、刑事コロンボか。
「嘘」や「虚偽」が国権の最高機関であるべき国会の中で、また、我々の生殺与奪の権をもっている官僚の間で、臆面もなく平然と横行していることに言葉は悪いが、思わず嗤ってしまう。
諦めの感情に支配されてくる。
政府は答弁書という公文書の中で総理夫人を「私人」だと位置付けた。
ならば、それでもよかろう。しかし、ならば、その「私人」に国家公務員を「総理夫人付」という”肩書“を付与し、夫人をして”わたしの秘書“と呼ばせるのか。
公人か私人か。靖国参拝時に閣僚にそれを聞きただすことを取材の一つだと思っているマスコミもおかしい。
国から報酬を受け取っている以上、私人は有り得ないのだ。使い分けは許されないのだ。
道徳教育を言うなら、論語に尋ねるまでもなく、こんなことは基本中の基本だ。
自らが置かれた立場や身分に“勘違い”をしているのだ。私人付きの女性官僚が国政に関与する行為をやっている。
矩を超えているのだ。
心の欲する所に従えども矩を踰えず 。すでに70を大幅に超えている者が思い浮かべる言葉だ。
歪んだ国家がさらに劣化している。歪みは腐敗を伴う。
「森友学園問題」。すべからく、あまりにも悲しい喜劇だ。籠池は事実は小説より奇なりと言ったがこんな見苦しい、愚かな喜劇を、小説を書ける人はいないだろう。
道徳を説く学校経営者が、およそ我々が思う道徳の範疇から逸脱し、政治家や官僚を使って己が「我欲」を達成しようと図る。
多くが「知らぬ存ぜぬ」と保身を図る。
政治の劣化だけではない。この国の、我々が戦後手中にした民主主義という理念の根幹が、政治を舞台にして揺るがせにされているのだ。
権力者は往々にして卑怯な振る舞いや言動をする。
それを「政治」ということの理念や哲学を全くわきまえない政治家たちが擁護して回る。
かって堺屋太一という元官僚の作家が、講演でよく語っていた戦後の三大神話。
その一つを書く。
「政治家がいかに無能であっても官僚は優秀だから、何事も官僚に任せておけばいい」。
官僚天国なのだ。公然と行われる「天下り」も含めて。
官僚が総理大臣含め、政治家をうまく操っている。
世論に押されて官僚機構にメスをいれてはみても、その先の、為すべき施術を政治家はわからない。そこに優秀な外科医はいない。
サイコパスが大手を振っている。
平気で嘘をつく。それが悪いことだとは思わない。そんな性格破綻者。
政治を読み解くには心理学者や精神科医の見立てが必要なのかも。
右翼かぶれの大阪のおもろいおっちゃんに、ずる賢いおっちゃんに政治家が振り回されているの”喜劇“。その劇の脇役には、あらゆる”劇“がそうであるように、必ず女性がいる。総理夫人、籠池夫人、顧問弁護士だったひと・・・。
こんなことで政治の中枢がてんやわんやの時、福島では何が起きているか。
帰還問題含めて。福島の課題は枚挙に暇がないはずだが。
2017年3月26日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
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