昨日変な夢を見た。夢でうなされ、夜中に起きた。
大きなスクリーンから“ビッグ・ブラザー”の声が聞こえる。
戦争は平和だ
自由は隷従だ
無知は力だ
「1984年」の声が聞こえる。
そして何やら人を殺せと命じられている。それを実行しようとしているのだが、なかなか出来ない・・・。
嫌な夢から醒め、いつのも自分のベッドにいることを認識し、そこに座り込んでしばらく考える・・・。夢の正体を。
今は2017年だ。
過日、首相は「日本会議」系の集まりにビデオメッセージを寄せた。
「自民党総裁の安倍晋三です」と“肩書”を名乗りながら、2020年に憲法を改正する。第9条に自衛隊を明記する。教育問題を、高等教育を無償化する。
そんなことを言っていた。スクリーンに見えるのは、まさに“ビッグ・ブラザー”の生き写しのようだった。ジョージオウエルのディストピア小説「1984年」再来の光景。
日本会議というのは全くの私的な集まりだ。団体だ。
そこで国の最高法規の扱いを公言するという厚顔ぶり。さすがに肩書を「総理大臣」とは言ってはいないが、自民党政権下では総理、総裁は一体化されている。
私的な、いわば“仲間内”の集まりで憲法について公言する。
憲法について、しかも具体的な内容について語るのは国会の場でなくてはならない。
「私語」なのだ。
しかし、マスコミの扱いは大きい。
「無視」に値するようなことが新聞にはデカデカと書かれる。
重ねて書く。幣原喜重郎は焼け野原に立ち尽くす人々を見てこう考えた。
二度と戦争を起こしてはならない。起こさないためにはどうすればいいのか。
軍事力を放棄して、戦争は二度としないと世界に向けて“宣言”することだ。
その旨をマッカーサーに申し出た。そこまで覚悟したのかとマッカーサーは驚いたと言う。そして出来あがったのが憲法9条だ。
「憲法第9条の③ 陸・海・空の三つの自衛隊は我が国を他国からの侵略から守るために存在する。専守防衛に徹したものであり、他国との紛争には先制関与することは出来ない。その主たる任務は国民の生命と財産を守るためのものであり、災害派遣など前記の目的を遂行するための組織としてのみこれを認める」。
こんな条項でも追加しようというのだろうか。
内容はどうでもいい。とにかく「改憲」なるものを成し遂げたいと言う子供じみた思考なのだろうか。
安倍は政治音痴だと思う。外交音痴だとも思う。
その「音痴」は謳う歌に我々は唱和させられるのか。
とんでもない。
嫌だね。
「平和を守るためには戦わなければならない」という人がいる。戦うとはもちろん戦争のことだ。
「他国によって侵略や攻撃の危機にさらされれば、断固としてこれと戦うことは、自衛の戦いであり、平和国家と矛盾するものではない」という人もいる。
“平和のための戦争”というのは有り得るのだろうか。
「先の大戦」だって、口実は平和を守るための戦争だったはず。
夢の続きだ。
戦力を放棄した平和を希求する国。それを国是として内外に宣明した国に、攻撃を仕掛けてくる国はあるのだろうか。
平和ボケと言われようがなんと言われようが、そんな国は無いと信じたい。
中途半端な「抑止力」を持つより「丸腰」の方が戦争に巻き込まれないと思うのだけど。
そんな国を無法に攻撃した国は国際社会から葬られてしまうと思っているのだけど。
「専制と隷従、圧迫と偏狭」。
そんな言葉が頭の中を渦巻いていた。
2017年5月5日金曜日
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