北朝鮮のミサイル騒動が続いている。
ミサイルによる挑戦以外にこの国が国際社会にその存在を誇示できる方法がないからだろう。
誰からも相手にされず、仲間にも入れてもらえず、入らず。その孤立感から抜け出すために“暴力”をもって自らの存在を誇示しようとする、アイデンティティーを見つけようとする。そんな犯罪者の心理にも通じるようなものを感じてみる。
かつては「拉致」という非人道的なことで国際社会を震撼させた。
日本の拉致被害者のことは“話題”にものぼらなくなった。
北朝鮮と言う国が何故、どうして出来たかという“歴史”はともかく、この「狂国」の扱いに国際社会は有効な手立てを持たない。
“三代目”はとかく狂暴になるということか。
72年前の8月、戦争が終わった。なによりも4歳の少年が嬉しかったのは、毎晩枕元に防空頭巾をキチンとたたんで寝ると言う作業をしなくてもよくなったということだ。
空襲警報が鳴るたびに、叫ばれるたびに防空頭巾を纏い、避難を繰り返していた。
姫路が大空襲に襲われ焼夷弾が嵐のように落ちてくる中、一家は防空頭巾をかぶって逃げまどった。
たぶん、あれは山陽本線の踏切だったのだろう。軍用列車の長い列が、とてつもなく長く連結された貨物列車が走っており、その踏切を渡らねばならなかった。
街は燃え盛っており、後ろから火の手が迫っている。線路を渡るのを断念し、脇道を選択した人たちは焼死したと後から聞いた。
線路をようやくわたり、とうもろおし畑に身を伏せて一夜を明かした。
途中で祖母がはぐれた。
夜明けとともに母親が祖母を探しに行った。祖母は防空頭巾に火がつき、燃えるがままの頭巾をかぶったまま走っていたという。
消防団の人が、傍の小さな川に突き落としてくれたという。
命は助かったが、生涯顔や体の一部に“ケロイド”を持ったままだった。
最近、各所でミサイル避難訓練がある。頭を伏せ、両手でかばうと言う姿勢。
強固な建物に逃げ込むと言う訓練。
落下物がミサイル本体であればなおさらのこと、ミサイルから切り離されたロケットであっても、それがパック3で撃ち落とされたものであっても、クソの役にも立ちそうもない避難訓練。
国からの指示なのか。その”訓練“を励行する自治体。笑える。
その「行事」を淡々と書いているマスコミにもあきれる。
防空壕にも何回か入った。人いきれが充満し、湿った狭い空間。閉所恐怖症を引き起こしかねない空間。
アメリカのメーカーに核シェルターの発注が日本から急増していると言う。
300万から1千万円。富裕層に人気なのだとか。
ミサイル攻撃は終わった。シェルターから出てみると辺りは焦土だった。
コンビニもスーパーも無い。
食い物が無いと言う状況。これとても笑える。
ミサイルは人が開発し、人が発射を指示する。
原発立地地域でも避難訓練が時々行われている。
徒歩で何キロ逃げられるのか。バスは来るわけが無い。爆発した原発の近くに。
陸路が使えなくて海路からの避難。船が来るわけが無い。
6年前を思い出す。
郡山市の対策本部には完全装備の格好をした自衛隊員が参加していた。
市が市民に通達したのは、テレビがしきりに呼びかけていたのは、マスクをしろ。窓に目張りをしろ。帽子を被れ。家に入るときには洋服をはたけ、着替えろ。手を洗え、顔を洗え、ウガイしろ。あれは何だったのか。
なんの意味も持たなかったのではないか。
原発も人が開発したものだが、人の意志と人の手で廃止にすることが出来る・・・。
その国のトップの問題なのだ。
2017年8月27日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
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