2015年12月20日日曜日

「終わり」と「始まり」と

終わりと始まり。池澤夏樹が新聞に連載しているコラムの通しタイトルだ。
あの3・11以降から始まった、このコラムの、この表現がすごく気に入っている。

そうなんだ。何事にも終わりがあり何事にも始まりがある。
聖書の伝道の書を紐解く気持ちだ。

このブログ、3・11以降、毎日書いてきた。正直骨の折れる“仕事”だった。
7月17日。脳梗塞を発症して以来、それは頓挫した。

ようやく何かを書けるようになって、それまでの「連続」は「不連続」となってしまった。

今年も間もなく終わる。そして新しい年が始まる。

巷では一年のまとめだとか総括だとか振り返りだとか、なにかとかまびすしい。

今年を締めくくる漢字一文字が「安」だったと、あちこちで話題にする。
メディアがそのお先棒を担ぐ。

ばかばかしい限りだ。漢字検定協会とやらが決め、清水寺の管主が大書する。
無意味な“風物詩”。

しかも字が「安」だ。いかようにもとれるだろうが・・・。

安という字は「不安」という言葉でしかとらえられない。
我々は今、まさに「不安」な時代に生きているからだ。

「不安」が生む数々の問題と向き合い、考えながら生きている。

福島では何が終わり、何が始まるのか。それをまとめて語れる人はいないだろう。不連続の連続が繰り返されているのだから。

たとえば「帰還問題」。楢葉町では国が帰還許可を出した。それに伴う補助制度も打ち出した。国にすれば「終わり」ということになるのだろう。
しかし、わずか数十%にしか過ぎない人しか帰らないという。帰ることを決めた人はこれからが「始まり」だという。それもマイナスからのスタートの。

中間貯蔵施設の問題も大方の住民の合意が計られたと言う。施設建設が進むと言うことは国にしては、その件は終わりということなのだろう。

なにがしかの金が交付される。
“被害”を和らげるためのカネが人々の不和を呼び、それは生き辛さにもつながる。

カネによる線引き・・・。

汚染水対策で遮水壁が完成した。1F構内の汚染水問題は「終わり」ということなのだろう。しかし、高濃度の汚染水が遮水壁内に溜まっているという。
あらたに考えなくてはならない問題の「始まり」だ。

指定廃棄物の問題は何らの進展も無い。終わりも始まりもない。

福島にとっては、5年間、“安心”と“安全”とは何かが問い続けられて来た。

仮設住宅に暮らしていた人たちも、試行錯誤を繰り返しながら、そこを出る人も多い。

その人たちにとっては何かが終わったと言うよりも、新しい生活を不安を抱きながら”生きること“を始めなくてはならないのだ。

来年は「あれから5年」だ。メディアはさまざまな特集を、節目として組むだろう。それがどんな視点から伝えられるか。

終わりと始まりということを、もろもろ考えている・・・。

6 件のコメント:

須田隆行 さんのコメント...

このところ、ああ、冬だなあと思う日々が続きます。私は川柳をやっていますので、時々は世の中のことを句にしたりもしています。社会詠、時事詠とでもいうもので、現代を詠みます。                  川内がまずひれ伏した再稼働     山河舞句        
私の川柳の先生が以前、川柳誌に載せた「勝手にフリガナ」という連作の中の一句です。「再稼働」は「コウフキン」とかってにフリガナがふられています。                               風さわぐ我が故郷の処分場      須田隆行         
こちらは私の下手な句。
今年も残り少なくなってきました。来年になれば人々は正月の餅を喰いながら去年のことなど忘れてしまうのでしょうか。他の内閣よりもよさそうだから、という理由でもって、アメリカの下で他国の侵略に怯えることなく、理想論などに心を奪われることなく、現実を見据え、震災のことなど忘れ、今の「便利」で「幸福」な生活を続けてゆくのでしょうか。私の心の中で「そうではないのだ」という木枯らしが吹きやまないのです。

匿名 さんのコメント...

瀬川さん、お久ぶりです。
からから亭、粒々塾の議事録を時折覗いていましたが、跡をのこさずに静かに見守っておりました。
毎日営業とならなくても、これだけ続けてくるのは本当に大変なことだなと思います。また、お会いしたいですね。今はすっかり、かぁちゃんになっていますが、花はしおれ、花は散るものですね。
そろそろクリスマスですね。瀬川さんのためにもお祈りしています。
「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように。」ルカ2:14
tomoko.n

亭主|瀬川 賢一 さんのコメント...

須田さん
いつもありがとうございます。
川柳のいわば諧謔性は大好きです。自分ではたしなみませんが。

そう、もろもろ木枯らしですね。

亭主|瀬川 賢一 さんのコメント...

ともちゃん
ゲンキでやっているならなにより。
塾も来年から細々復活させないと。

皆が「考える人」になってくれると嬉しいのだけど。

聖書の言葉ありがとう。
教会には行くつもりです。

匿名 さんのコメント...

具合はいかがですか?案じています。
粒々塾も62回を数えたのですね。約5年でしょうか?瀬川さんとお会いできたのも、ひとつのはじまりだったような気がします。社会人として、とても貴重な体験をさせていただきました。今は子育てもはじまり…おわりはくるのかと思う日々ですが…
瀬川さんの復帰を粒々塾の皆様も心待ちにしていますね。
私も常に考える人になれるように、粒々塾の議事録をみせていただきながら、学びたいと思います。からから亭も楽しみにしています。

tomoko.n

亭主|瀬川 賢一 さんのコメント...

ともちゃん
心配してくれてありがとう。
なかなか快癒とはいかないね。
歩くのも一苦労。
ま、1年はかかると言うし、なんらかの後遺症は残るらしいけど
それなりにやっていきます。
講義録やからから亭見ていてくれてありがとう。
ともちゃんはフェイスブックなんてやってにのかな。
そこにもからから亭はリンクさせてあるけど。

ともあれクリスマスおめでとう。
教会へ行ってみます。