自然に「意志」はあるか・・・。
またもや10日余りの「怠惰」となりました。私事はどうでもいいことなのであり、人に話すことではありませんが、言い訳と受け取ってください。
「熊本大震災」後、“奇病”に罹りました。
喉が常に咳き込んで、唇がすべての刺激を受け付けない。結果、食えない。身体中に湿疹のようなものが大量発生。特に痛みは無いのですが、倦怠感はなはだしく、まともにパソコンに向かえませんでした。
「人間だれしも、歳を経るごとに、細胞は減り、体力は衰えるものだ」ということを実感しました。まだ病院から正式な検査結果、病理検査の結果は出ていませんが、今のところの医師の見立てでは、何らかのウイルスが喉に付着し、免疫力の低下もあって、皮膚に影響をあたえたのではなかろうか、ということです。
毎日がステロイド剤の点滴生活でした。入院こそしませんが、毎日、半日くらいの点滴。
「人間だれしも病気にはなる。でも病人になってはいけない」。東京のある大学病院の循環器センターの医師が患者向けの院内紙に書いていた言葉です。
山田洋二のドラマにこんな一節がありました。
「生きるってことは、自分の中の死んで行くものをくいとめることなんだ。気を許しちゃあ、すぐ魂も死んでいく。筋肉も滅んでいく。脳髄も衰える。
何かを感じるか、人の不幸に涙を流すなんて能力も衰えちまう。それをあの手、この手を使って食い止めることよ。それが生きるってことよ」。
東日本大震災のあと読んだ本の中に、「星」を題材にしたものを2冊読みました。
「暗い夜、星を数えて~3・11被災鉄道からの脱出~」。彩瀬まると言う人が書いたもの。
「そして、星の輝く夜がくる」。真山仁と言う人が書いた本。
そう、たしかに、あの大震災の後、あの夜、月が闇夜を照らしており、星が輝いていた記憶があります。
大震災、大津波を起こした自然。それを“天罰”だと豪語した東京都知事。
原発事故の遠因ではあったかもしれませんが、原発事故はまさに「人災」です。
自然には意志は無い。そう思いました。あの年の春にはいつもと同じように桜が咲き、草花も芽を出していました。
熊本地震では多くの人が、度重なる余震に脅え、飼っている動物のこともあったり、子供のこともあったりして、駐車場に車を停め、車中泊、車内生活をする人が多く見られました。狭い車内での生活。いわゆるエコノミークラス症候群に陥る人も多く伝えられています。
起居出来るテントや間仕切り施設。それは「防災必需品」としてあるはずなのですが。ポータブルのトイレだって、大都市の公園の地下には数多く“備蓄”されているはずなのですが・・・。
それが「支援物資」として熊本に送られたという話は聞いたことがありません。個人個人の支援や、ボランティアだけでは、増して、備えの無い地方自治体では解決できる問題ではなにです。被災地は被災地での“自己完結”が求められているとうことなのでしょうか。
そしてボランティアにはボランティアへの「自己完結」が求められているのでしょうか。
事情はつまびらかにしないものの、間尺に合わないことが多すぎる気がするのです。
車中生活を選択した人がこんなことを想ったそうです。
自然に目が行くようになった。昼間に鳴くウグイス、巣作りに励むカラス。夜飛ぶフクロウ。
“今まで時間に追われて気にさえしてこなかった自然の営み。それをいとおしく感じるようになりました”と言っていたということです。
地震は、被災者の暮らしと思考を一変させました。そこには、悲しみや絶望だけではない。自然とどう向き合うか。命とは何か。家族とは。そんなことをあらためて考えてみる“材料”にもなります。
新たになった被災者の「日常」はまだまだ続きます。
「3・11」と「熊本大地震」と・・・。
前回の投稿で「方丈記」をひきました。貞観地震をはじめ、これから予測される地震の数々。
地震列島の上に暮らす我々日本人。いや、エクアドルに見られるような地球規模の自然災害。
それらが多発している中で、やはり解けない問題、頭の中を駆け巡っている問い掛け。
「自然に意志はあるのか」。
自然と人間とのかかわりとはいかにあるべきか。
今日の熊本はまたも“無情の雨”と伝えられています。
「他人事」に過ぎるかもしれませんが、そんなことをも考えてしまうのです。
ステロイドの点滴がはずれ、ようやく飲み薬の生活になれました。喋れるようにもどうにかなりました。時間をかけてキーボードも打てるようになりました。
徐々に、徐々に・・・。全てが徐々に徐々に・・・。まだまだ続く「リハビリなる日々」です。
2016年4月27日水曜日
“チェルノブイリ”異聞
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