「言いくるめる」。言い包めるという言葉がある。
辞書によれば、「言葉巧みに相手を信用させてだます。口先でまるめこむ」ということだ。
鷺を烏と言いくるめるという類語もある。明らかに正しくないのに、ものの道理を強引に言い曲げることのたとえ。
“政治”の場で、この「言いくるめる」作業が行われていることが悲しい。
参院選は事実上の選挙戦に入っている。いかにして自分たちが「権力」の場にいられるか、居ようとするのか。そのために有権者と言われる国民をいかにして「いいくるめる」か。そんなことが行われているように思えてならないのだが。
まして今度の選挙からは新しい有権者として18歳になった若者240万人がそれに加わることになる。
「エセ民主主義」の可能性だってある選挙戦で彼らを言いくるめることに巻き込んで欲しくはないと思うのだが。
東京都知事のあの「せこい」事件、これにはあいた口がふさがらないってことなのだ。
自治体に上下はないものの、やはり東京は日本の首都だ。そこのトップがなんら「倫理観」も「道徳観」も持ち合わせていなかったということ。
生粋の江戸っ子は怒りに震えているのではと。
なんとかかんとか言って都民を国民を言いくるめようとしている。不様なんだよな。
「言いくるめ」の材料に使ったのが“第三者”。なにが第三者だ。雇ったヤメ検の弁護士じゃないか。
さすが元特捜の敏腕検事。違法性と不適切なんて言葉をうまいこと使い分け、どこか「煙に巻こう」としているように見て取れてならない。
黒を白と言いくるめようと、時には高圧的、威圧的な態度にも出る。
彼の御取調べを受けた被告は、ま、お気の毒様とでも言いたくなるような。
少なくとも第三者とは、南町奉行か北町奉行のようなタマではなにといけないのに。
ヤメ検の“不行き届き”で”杜撰“な調査結果。肩書が肩書だけに「司法の権威」すら失墜させかねない問題だとも思えてくるのだが。
3.11後特にそれを感じる。当事者が当事者能力から逃れ、いかにも公正さを装うかの如く第三者という隠れ蓑の中にひそむあわれな姿を。
企業の不祥事、多発している。調査はすべて第三者とされる。
じゃ、その企業の経営者は何をしてきたのか。
無責任社会をいつからこの国は「容認」するようになったのか。
「江戸っ子をなめんじゃねえよ」とタンカを切っている御仁も見かけた。
せこい言い訳や言い逃れはもうやめようぜ。
せこい、醜い政治にはもう飽き飽きしてるはず。それを座視している悲しさ。
都知事だけじゃない、この手のこと。あのマムシの善三が弁護を引き受けてきた政治家がいたと言うこと。
「闇の帝王」と呼ばれたヤメ検の“悪徳弁護士”、田中森一。刑務所の中で彼は論語を学び続けた。論語から悟ったこと多々ありだったという。
「道徳」とか「倫理」とか。市井の民に押し付ける前に自ら学べよ、政治家さんよ。
世も末だ、なんて思ってしまうのはなんともはや間尺に合わないぜ。
出直せよマスゾエさんよ。旧知の者からの忠告にならない忠告にて。
友情ある説得なんて出来かねます。
2016年6月12日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
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