2016年12月20日火曜日

嗤説「平成の決闘巌流島」

先般の安倍・プーチン会談なるもの。プーチンが“遅刻する”との報道を聞き、咄嗟に思い浮かんだのが、あの歴史小説にある武蔵と小次郎の巌流島の決闘のも・の・が・た・り。

決戦に遅れた、いや、わざと遅れた、心理戦に持ち込んだ武蔵。おお、プーチンがだぶる。
じりじりしながら集中力を切らさないようにしていた小次郎。おお、安倍が重なる。

場所は山側と海岸とは違うものの、同じ山口県。

ま、この時点で「会談」の結果は見えていたようなものだ。
勝敗に例えれば、プーチンの勝ち、安倍の負け。
会談実現が報じられた頃は、北方領土返還にいささか糸口が付くのではないかと言う期待感もあったにはあったが、だんだんそれもトーンダウン。

試合の結果は、検分役の見込み違いもあっただろうが、背負い投げ一本を取られた格好なり。

日本の武道が趣味だというプーチン。厳流島の故事も知っていたのかも。

プーチンが遅れた理由は「シリア問題に対処していたため」と外務省から説明があった。
アサド政権側に加担し、“無差別爆撃”で、子供までもが巻き込まれるシリア、アレッポ。

“人道的見地”から南スーダンに“派兵した安倍政権。

「シリアの内乱回避」「シリア和平に日本が貢献できることは」「難民保護は」。
“シリア”が遅刻したことの理由なら、そう切り返すくらいの度量と見識を持つべきなのに。

今をさかのぼること40年ほど前、田中・ブレジネフ会談というのがあった。
ソ連の招待による日ソ首脳会談。
会談を終えた田中の顔は紅潮していた。北方領土をめぐり「のらりくらり」の言辞を弄するブレジネフの対して、テーブルを叩いて、まさに膝詰談判をしたという。
「俺が何のために来たのかわかっているのか」と詰め寄ったという。
ブレジネフが降りた。

特別機がまさに飛び立つ数時間前に出された共同声明。そこには「日ソ両国には戦後未解決の問題がある」と明記されていた。未解決の問題とは北方領土。

この声明は”たなざらし“にされてしまったようだが。

何故、今、田中角栄か。角栄本が売れている理由の一つには、こんなこともあるのかもしれない。

角栄は「今太閤」と呼ばれたものの、栄華は続かなかったが・・・。


武蔵の書いた兵法書「五輪の書」。読み解くのは難解だ。
その中で、「何れの道においても人にまけざる所をしりて、身をたすけ、名をたすくる所、是兵法の道なり」と書いている。これとても難解だが。


外交交渉には、首脳会談には、おおむね「おみやげ」がつきものだ。物ではない。“得点”になる内容だ。

プーチンは土産を持参しなかった。領土の領の字も持ってこなかった。
安倍は「経済協力」と言う名のお土産を持たして帰した。

ロシアに北方領土を返還する意志はない。北朝鮮は拉致被害者を返す気はない。
なのに、わかりきっているのに安倍の襟にはいつもあのお飾りとしてのブルーリボンバッチ。

そして、ロシア再訪の機も伺っているとも聞く。

この人、いったい何をしたいのだろう。自分が目立っていたいだけか。
どこかには平成の五輪の書、兵法本があるはずだが。

「五輪」とはオリンピックということに如かず、なのかも。

この御仁といつまでお付き合いしなければならないのか。

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