「大晦日、定め無き世の定めかな」。
井原西鶴の残した句です。諦念をも含んだようなこの句に惹かれるのです。
あと数時間で2016年が終わります。
終わると同時に2017年が始まるのです。
2016年、何があったか。いろいろなことがありました。おかしな日本語ですが「ありすぎました」。
どうもこの国の政治は「退化」への道を歩んできたようです。
政治家の発する「ことば」は、まったく意味を失い、なんらの価値すら見られませんでした。
世の中は、暴力的になり、格差は増大し、憎悪や排斥、差別がいたるところで散見されました。
ご承知のとおりです。
いささかの願いも込めて「寛容」という言葉も使われましたが、世の中から寛容と言う気持ちは失われる一方だったという気もします。
2017年、年が改まっても、何かが劇的に変わることはなさそうです。
2017年の干支は「丁酉」。ひのととり。上が下を剋するという相があるそうです。
政治が国民をより支配したがるという傾向もあるそうです。
そんな予感は確実に、現実になりそうです。
私事を言えば、とにかく病院とのお付き合いが多い年でした。前年からの連続ですが。
2017年も、どうやら病院とのお付き合いは続きます。
丁酉(ていゆう)という干支には、頭が働いても体がついていかない年だという謂れもあるそうです。
この干支占い、妙に的を射ているような気がします。
いや、頭も働かなくなっていくような予感すらあるのです。
年金暮らしの後期高齢者、日常生活の悩みも時折頭をもたげてきます。
まさに「定め無き世の定め」なのでしょう。
“きのう また かくてありけり
きょうも また かくてありなん
この命なにをあくせく明日をのみ おもいわずらう・・・“
藤村の詩が沁みるのです。
2016年12月31日土曜日
“チェルノブイリ”異聞
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