毎日牛のステーキを食べているから元気なんだと言う高齢者もいる。
ステーキ、素敵なご馳走だ。
牛のステーキにはとんとご無沙汰だけど。特別な日でもないと手が出せない。
ステーキ屋さんは「和牛」を売りにしている。
その和牛の子牛の数が減り、せりの価格が上昇しているという。7割以上もだとか。牛肉の小売価格も2割ほど高くなっている。
牛を育てる農家が高齢化などで減ったからだ。
TPP交渉でも重大案件だった牛肉の価格。
国はなんだかよくわからないけど「攻めの農業」とかなんとか言って和牛の輸出を強化する方針だというが・・・。
酪農家の高齢化。米農家に補助金をばらまき、生産者の負担を軽減しようと言ってはいるが、米も牛も同じ。
成り手が減っている、高齢化で、ということへの措置は取りようがないだろう。
和牛は希少価値の高嶺の花にますますなって行くのか。
オーストラリアンビーフやアメリカンビーフがスーパーに並ぶことになるのか。
福島の浪江町と南相馬に「希望の牧場」というのがある。
原発事故で放射能汚染された牛、牛の飼料の牧草。
牧場の主は事故後、行政から指示された牛の殺処分を拒否した。
出荷するわけではもちろんない。我が子のように育てた牛を殺すのに忍びないということだ。
300頭ほどの牛が生きるために毎日餌を食む。
どうしても牧草が足りない。災後は全国からの支援も寄せられてはいたが。
隣県宮城の白石市にも汚染された牧草がある。白石市はその牧草を希望の牧場に搬出することにした。
多分、牛は喜んだに違いないと思うけれど。
それに農水省から「待った」がかかった。「汚染物の持ち込みは復興の足かせになる」というのがその理由。
搬出に違法性は無い。白石市は国の要請を拒否した。
浪江の町長も搬入に異論を示している。
本格的冬がくる。餌がなければ牛は餓死するかもしれない。
搬入は続けられていると聞くが。
遠藤周作の著作に「お馬鹿さん」というのがある。その中で著者は牛の眼だったか馬の眼だったか、記憶は定かではないが「イエスキリストの眼に似ている」と書いていた覚えがある。
福島牛・・・。飯舘ミートバンク。福島の和牛は人気が高かった。避難地域の酪農の実態はつまびらかにしないけど。
牛と社会構造・・・。食う、生きるということにつながっているはなし。
2015年11月27日金曜日
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2 件のコメント:
原節子が亡くなったという。私は彼女の映画をまともに見たことはなかったが、先日、「晩春」という作品を観た。映画の内容はともかく、終戦後たった4年しかたたないのに、映像を見る限り、人々の生活の表情や街の風景の復活のスピードには目を見張るものがある。それに引き替え、あの大震災後の復興の遅々とした歩みは、原発、牧畜や農業、廃棄物処理、過疎等々の問題が山積みなのに、どう考えても国策としか思えない。安保法案、TPP、オリンピックなどあれほど熱心に進めているのに。東北はいまだもって、中央から見れば蝦夷の国なのだろう。沖縄もまた。誰とは言わないが、大臣たちの無表情なロボットのような答弁の顔が目に浮かぶ。
須田さん
コメントありがとうございます。
映画・・・たとえば晩春よりも後に製作された東京物語でも、描きだされているのは戦後の復興と成長、その陰にはそれから取り残されてひっそり暮らしている人たちがいる、そんな今の時代にも通じるメッセージだと感じます。
沖縄、東北。当ブログでもずいぶん書いたつもりです。
琉球処分、東北処分。中央は常に地方を収奪する。思いは同じです。
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