あすから12月。世間は“慌ただしい”歳末へと向かうのだろう。
今や恒例になった“行事”もある。
やれ「流行語大賞」とか「今年一年の漢字」とか。
別のどうでもいいことのことなんだけど。
どうでもいいことを書く。
「活」という最近もっぱら多用されている字のことだ。
いつの頃からか、言葉に対して真摯でなければならない新聞であっても流行り言葉のように「わけのわからない」言葉を乱発する。
就活。就職活動のこと。それが何で短絡化された用語になるんだろう。
終活。人生の終わり方を指す言葉のようだ。
朝活。朝早く仕事をして、職場に行って一日を“有意義”に過ごすと言う言葉のようだ。
夕活。夕方の時間を“有意義”に使うという意味のようだ。
どうも残業を減らすという視点から編み出された言葉であり、時間の使い方であるようだ。
部活。昔はクラブ活動って言われていたけど。そして、婚活。結婚活動のことらしい。結婚するたに活という字が使われる違和感。結婚って“活動”して得られるものだろうか・・・。
「活」とは辞書には、いきること、勢いよく動くこととある。
不活動、不活発の日々を送って入る者にとっては、なにやら“疎外感”をもたらしてくれるような。
一年の終わりの時期。今年は何があり、それが何を意味し、どう捉え、どう考えるべきなのか。脳内を活性化させ、想いを巡らせてみてはいかがかと。
この国をどうしようとしているのかわからない「安倍政治」。安保法制を強行可決したあと、その尻拭いをするわけでもなく、言い出したお言葉は「一億総活躍社会」。
生産人口である成人はとにかく働けってことか。
お国が言っているのはそういうことではあるまい。一億の国民が「皆、働けるようにする」ってことなのだろうとは思うけど。働けばどうにかまともな生活が送れるような社会にする、しようってことだとは思うけど。
まさか「働かざるものは食うべからず」てなことではないと思うけど・・・。
どうもこの思いつきのような「活躍」って言葉に引っ掛かるのだ。しかも「総」がついていることに。
なんか、国家があって国民があるのか、国民がいて国家があるということなのか、“民主主義”の根底、その理念にかかわることのような気がしてくる。
戦国時代に活躍した黒田如水の言葉とも言われる「水五訓」。
一.自ら活動して他を動かしむるは水なり
二.常に己の進路を求めて止まざるは水なり
三.障害にあい激しくその勢力を百倍し得るは水なり
四.自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るるは水なり
五.洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり
雪と変じ霰(あられ)と化し凝(ぎょう)しては玲瓏(れいろう)
たる鏡となりたえるも其(その)性を失はざるは水なり
言葉が生きている。訓えが活きている。
だから、というわけではないが、京都のお寺の坊さんが立派な袈裟衣をまとって大書する漢字一文字は「活」とするのがよろしかろう。
それは前向きの意味では決して無く、日本語の衰退を嘆き、活き方がまったく不透明な現世への警告の意味で。
「喝」を入れるという意味でも。
2015年11月30日月曜日
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2 件のコメント:
今年の流行語大賞が決まったようですね。まあ、さしさわりのない「言葉」が選ばれた感じです。「トリプルスリー」ってわからない人には「なんなの?」って感じでは。また「爆買い」についてテレビのニュースでは「外国人旅行客の・・・」と言っていたけど中国人旅行客以外ないでしょ。名指しするとマズイのかな?(どうでもいいけど、パソコンで「バクガイ」と打っても漢字変換できない。)「安倍政治を許さない」「一億総活躍社会」「エンブレム」「SEALDs」などのある種批判的な連想を伴う負の言葉は、今の政治およびマスコミの状況の中では選ばれないだろうなとは思ってました。まあ、トップ10には入ったけれど。
須田さん
まさに同感です。だいたいこの流行語大賞って何なんだ、って気分でずっときました。言葉における不易流行ってことです。事象と言葉が混同されている。そんな気がしてならないのです。
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