「1930年代のアメリカには暴力、汚職、買収が公然と横行していた。この混乱と無秩序に敢然と戦いを挑んだFBI特別捜査官の勇者たち。彼らは絶対に買収されないということからアンタッチャブルと呼ばれていた。この映画は彼らの輝かし勝利の記録である」。
まだテレビが黎明期だったころ、今のように早朝から深夜までの放送なんてない頃、テレビのコンテンツの多くはアメリカ映画だった。
その一つにあったのがこのアメリカのテレビ番組。「アンタッチャブル」。その隊長、エリオット・ネスはテレビの中の“憧れ”の象徴だった。
その番組のタイトルバックに毎回流れていたのが冒頭のセリフ。
うろ覚えだが・・・。
北朝鮮がやはりミサイルを発射した。それを止める手立てはどの国も持たなかった。国連もある意味“形骸化”しているのか。
テロはあとを絶たない。難民はきょうも“漂流”している。
やはり世界は混乱と無秩序の中に成り立っているのかと思う。
日本の国会、相変わらず「混乱」した議論にならない議論が繰り返されている。
およそ美しい日本語とは思えないような、稚拙な文章の自民の改憲草案を安倍はふりかざし、「野党は思考停止に陥っている」と絶叫する。「批判するだけではだめだ」とわめく。「対案を出しなさいよ」と食ってかかる。
「対案は今の憲法だ」。そう言い切れないところに野党の“混乱”がある。
そう言い切れるのは国会の外の市民だけだ。
アメリカの大統領選。共和党の候補。トランプは「大富豪」だという。移民排斥を訴える、“差別主義者”だ。対抗相手はマシンガンで肉を焼くパフォーマンスをやってのける愚かな人だ。
それを支持してるアメリカ国民ってなんだろう。
アメリカははたしてかつてがそうだったような民主主義国なのだろうか。
あの国はもはや世界の盟主でも警察官でもありえないのかもしれない。
フランスでもドイツでもイタリヤでも、極右勢力の台頭が目立つ。右傾化の果ては人種差別でりあり、一握りの権力者が、その国を“私視”することにもなりかねない。どこかでヒットラーの再来をのぞんでいる勢力がいるようにも見える。
アメリカ方民主主義も、欧州型民主主義にも亀裂が入っている。
そして“ならずもの”国を扱いかねている。
考え続けていると「資本主義」の問題にもぶちあたる。そこに在るのは劣化した資本主義だ。そしてよく考えると柔らかい無秩序も必要なのかもしれないと。
「混乱と無秩序」、あのアンタッチャブルのナレーション作家は2010年代の世界をも見通していたのかもしれない。
同じころ、「コンバット」という戦争もののテレビ映画があった。主人公の名前はサンダース軍曹だった。勇敢で時にはおちゃめな。
アメリカの大統領選、民主党の候補選び。74歳のサンダースと言う人がにわかにクローズアップされてきた。彼は「(民主)社会主義者」と言って憚らない。
アメリカ社会の病弊である「格差の是正」を訴える。そして若者たちからの支持が多いと言う。
台湾では地震の大きな被害があった。このところ地震は列島各地で震度4クラスがある。桜島は噴火した。
世界は混乱している。混沌としている。その中で、人間にとって秩序とは何か、無秩序とは弊害なのか。そんなことを考えてみてもいいような気がして。
2016年2月7日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
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