土曜日の夜。郡山のライブハウスでロックのコンサートがあった。
ロックは門外漢だが。
Ken Yokoyamaというバンドがある。
若者に人気があるし、かなりメジャーなバンドのようだ。
そのバンドが再結成されたのがあの「3・11」のちょっと前。そこに加わったドラマーの子が古くからの知り合い。
「ケンイチさんのことは母のお腹の中にいる時から知っています」などとほざく子だ。
彼らのバンドが最初に郡山にきたのが2011年の、あの年の今頃だった。被災地ツアーで。
街は、まだ暗く沈んでいるような頃だった。彼から連絡が来てライブ会場のヒプショットというところに行った。
ライブが始まって1曲目の演奏が終わった時、リーダーのken yokoyamaは大きな声で叫んでいた。
“原発のばかやろう。原発よ、長い間ごくろうさん。もうおさらばしようぜ!”。
埋め尽くした観衆から大きな拍手と声が上がったのをよく覚えている。
それは彼のメッセージに賛意を示したものか、ライブの盛り上がりでのことかどうかはわからないが。
4年後、またそのバンドが来た。
旧知の太鼓叩きから前日突然の連絡。会いたいと。
開演前の数時間をともにし、昔話含め、音楽のことなど話し合った。
家に来て犬とじゃれ合い、メシを食い・・・。
スマホを取り出し、「一緒に写真を」ときたけれど、写真は苦手。スマホの“主役”は犬に任せ・・・(笑)
お土産に持ってきてくれたのが先月新発売となったニューアルバム、♪sentimental trash♪のロゴが書き込まれたTシャツ。
機会があればそのTシャツを着て老人ロッカーになってやろうか。
ニューアルバムの中の収録曲の一つに♪0ne last time♪というのがある。その中で唄われている言葉。
//夢見る頃はとっくに過ぎたけど
それでも生きていくのさ
まだ役目が何か残っているんじゃないかと
さがしながら
俺はそれをもまた夢とよぼう//
病んでいるおじさんにもハッと思わせるものがあったぜ。感じること多々だったぜ。
なんか、まだ「お役目」が残っているのだろうか。自分にも。
センチメンタル トラッシュ。味のあるアルバム名だ。意訳すれば、中原中也じゃないか。汚れちまった悲しみじゃないかと。
「3・11」をきっかけにして、それまで無縁だったロックという音楽のジャンルがどこか、いろんな意味で身近になっているのもあったし。
「今は、親子でライブに来てくれる人増えています。高校生の子どもとその親と。フアン層が広がっているような気がします」。
彼の言葉をきっかけに「音楽とは何か」「ロックの可能性は」なんて話もしてみた。
時間はすぐ経つ。彼を会場の楽屋口まで送っていった。
また会おうぜ。連絡くれよな。車の窓を開けて手を振る。
閉めるのを忘れ、開けたままだった窓から風を感じた。
「10月は少し冷たく」感じられた。