2015年10月6日火曜日

命を救うために医者がいる


「人の命を救うために、人を死なせないのが医師の使命だ。だから人を殺すかもしれない“戦争法案”に反対する」。
正確な文脈ではないかもしれないが、安保法制、集団的自衛権の行使に反対した医者たちの言葉だ。

「風に立つライオン」。歌手のさだまさしが作った曲だ。書いた本だ。主人公は国境なき医師団に参加した日本人医師がモデルだ。

アフガニスタンで国境なき医師団の病院が米軍によって“誤爆”され、医師や看護師、患者の20人以上が亡くなり、40人近くが負傷したという。

“誤爆”ってなんなんだろうか。最新兵器で”誤爆“なんてありうるのか。ピンポイントで爆撃できるレーダーやGPSを装置しているはずなのに。
目標物が何であるかも当然わかっているはずなのに。

“誤爆”といういわば過失として済まされることじゃないのでは。
現地のその診療所は閉鎖された。
その結果、近くに医療機関は無くなった。
病気の子どもたちも、大人もかかる医療機関が無い。

医者が標的にされるという戦争。NGO組織だって“攻撃”の対象ともなり得る戦争。

今日もまた、「平和な国日本」で暮らしながら、病院に行ってきた。リハビリ含めて。待合室には多くの人がいた。
診察を待ちながらアフガニスタンで仕事をしていた医師たちのことを想った。

人の命を救おうとして献身的努力をしている人が殺されるということ。

アメリカは誤爆と言い、原因を調査中だとしている。攻撃した部隊に問い合わせればすぐわかるはずなのに。

もしかしたら「調査中」がずっと続くのかもしれない。

この攻撃がアメリカでない勢力がやったらどうなっていたのだろう。人道にもとる行為だとしてアメリカはその勢力に激しい“反撃”を加えていたかもしれない。
アメリカと同盟関係にある国だって参戦したかもしれない。
人道にもとる行為に対しては厳しく対峙するのが民主主義国の“使命”だからだ。

アメリカを非難する国際世論はあまりにも小さい。アメリカ国内でも少ないようだ。

“誤爆”だからということなのか。

“誤爆”という言い訳の中に、なんだかはかりしれない「奇妙さ」を感じてしまう。

沢山の子どもの命を救った。病気を治すことが出来た。そんな微生物研究者がノーベル賞を受賞した。命を救うと言うことはノーベル賞に匹敵する人類への貢献なのだ。

なのに、命を救おうと、病気を治そうとしていた医師や看護師や病院スタッフは恐怖とともに殺された・・・。

おしなべて、強国の、大国の論理が世界に覇を制しているようで・・・。

福島の原発事故による避難者の帰還問題。はかどらない理由の一つは医療施設だと多くの人が言う。

“チェルノブイリ”異聞

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