「膏薬は貼りかえるほどよく効く」。そんなセリフが日本にはある。
安倍が安保法案の異常事態など無かったことのように、そう、選挙の時には改憲を封印し、アベノミクスなる経済政策を前面に打ち出して“勝利”したように、今度はアベノミクス第二弾。
一億総活躍社会のキャッチフレーズのもとに、GDP600兆円。出生率1.8とか。介護離職ゼロとか。またもや「子供だまし」みたいなことを言ってシラケさせてくれた。
子供だましとはその言を揶揄した表現。今の子供は、そう中学生から高校生まで、そして大学生に至るまで、「だまし」を見破っている。
子供だましじゃない。単細胞の“安倍信者”である大人だましとでも言った方がいいのか。
安倍の言う「一億」という表現に感じる違和感。真意は不明だが、総国民とも受け取れる。
しかし、日本の人口や如何に。1億3千万人のはずだ。正確には2千万人後半だろうが。安倍が「活躍」を期待する、担当大臣まで置いての鳴り物入りの浅知恵。そこからは3,000万人が“除外”されているのだ。
活躍を期待しない人が人口の4割いるということだ。
それが誰を指すのかどの層をイメージしているのか。
幼児かい? 後期高齢者かい?
活躍を期待されるのは「生産可能人口」であり、その他の人は・・・ってことじゃないのかという“総”という字の解釈。1億というスローガンは70年前だったんだぜ。
公約としてのアベノミクス第一弾。それがどれだけ効果をあげ、成功したのかどうか。経済活性化につながっていたのかどうか。そんな検証はされともいない。
「なんとなく終わり」で「なんとなく第二弾」の公約ってことか。貼りかえた二枚目の膏薬。ただし安倍の貼る膏薬は効き目が薄いと“専門医”は嘆いておるわい。
目先を変えるっていう政治手法が彼の得意技らしい。目くらましって言ったほうがいいのか。
どうも初めの公約はボロが出始めていたようだ。そのボロ隠しの“膏薬”として貼り付けた次の“公約”って気がしてならない。
アベノミクス、新アベノミクス。除外された3,000万人はもとより、国民の半数以上が、そんなに経済成長をのぞんでいるのだろうか。
「3・11」で問われた豊かさとは何かという疑問。なにかわからないままに求めていたような一億総中流という空気。
原発にしても安保法制にしても、「そのうちなんとかなるだろう」ってあまり考えようともしない空気。
沖縄には訳のわからないカネをばらまき、そう、口封じの膏薬を貼ってごまかそうとしている。
なっだかんだと口封じの膏薬貼りという安倍政治。
膏薬を貼るってことは“対症”策。“治療”策ではないはずなんだけど。
「一億総白痴化」という言葉があった。大宅壮一の指摘だ。経済成長をひたすら追い求めていた“三種の神器”の時代。
それは「テレビ」に向けられた、テレビが各家庭に浸透し始めた頃のものだったが、あの頃と比べて、「テレビ」はどう変わったのだろうか。
笑えるくらい何も変わっていない。デジタルという技術が画面だけを綺麗に取り繕っただけのような。
膏薬も公約も貼りつけたり、その場を取り繕ったり、貼りかえてよしとしているだけのシロモノか。
「良薬口に苦し」。そんな言葉もあったっけ。今、口に苦い「クスリ」は決して良薬ではない。
甘さに騙された偽薬のご用心っていうところか。
2015年10月30日金曜日
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