フランスに「ノブレス・オブリージュ」という言葉がある。
直訳すれば“高貴さは義務を強制する”となるらしい。
財産や社会的権力、地位を持つ人は責任を伴うということだ。
一時話題になったタックス・ヘイブン。租税回避地。パナマ文書で暴露された「金持ちの実態」。
また新たな文書がウキリークスの知るところとなり、解析が進んでおり、公表の運びになるという。
そこには「心ある多くのジャーナリスト」が参加していると聞く。
原発再稼働の問題で、自民党の閣僚は国会でこう壮語した。
「原発を再稼働せずに石油を輸入し続けるのは“国富”の流出だ。
アダムスミスの「国富論」でも読んでごらん。見えざる手を見ようとしてごらん。
それはともかく・・・。
タックスヘイブンを利用している金持ちがちゃんと税金を支払ったら、世界中の問題はどれだけ解決するのか。
飢えに苦しんでいる人たちが何人救われるのか。
素朴な疑問だ。
年間に各国で合わせて数十兆円規模の税収が失われている。
これこそ「国富の流出」じゃないのだろうか。
増えつづける社会保障費、子どもの貧困や、教育の格差なども。
金持ちは貧乏人(これ、差別用語ではありません)よりももっと倫理観や道徳観を持つべきだ。
金持ちとはある意味「知恵のある人」だ。あらゆる手立てを弄して普通の人や貧乏人からカネを巻き上げる。
「学問のすすめ」という本にも書かれている。学問のある人は金持ちになり、学問の無い人は貧乏人になる。と。
その学問って何だろう。
大企業は脱税や、それに類したことに、学問のある人を使って腐心する。
政治家とて同じだ。
チンケな話だが、あの白紙領収書や政務活動費の偽申請。
彼らに論理性や道徳観を要求することはまったく無意味なことなのだろう。
昨日、衆院の補選があった。
全くの低投票率だった。
きのういくつかの地方首長の選挙があった。
その多くの選挙の投票率はなんと30%台だった。
やはり、今の政治は国会も地方でも「見放された存在」としか受け取られていないようだ。
政治家は去っても政治は残る。
ノブレス・オブリージュという言葉も、グッドルーザーという言葉もこの国には存在しない。
勝者だけがもてはやされる国になってしまったのだ。
エリザベスサンダーズホームに資金援助していた人は誰だったのか。
ねむの木学園を支え続けて来たのは誰だったのか。
私財を社会福祉に寄贈した名も無き国民は誰だったのか。
毎年くる「税金」は大方滞納している。
昨日か一昨日、督促状が来ていた。
後期高齢者健康保険料と、国民健康保険の四半期分。4万円から5万円払わねばならない。
生命保険料や固定資産税、自動車の保険料、車検代・・・。
「食う」だけでは生きてはいけないのだ。この国の制度としては。
年金から所得税と介護保険料が天引きされている。
年金だけでは暮らしてはいけない。実態だ。
なんとかして月数万円でもカネを稼がねばならないのが実態。自分の事ですよ。
「年金の使い方がわかりません。年金を使いにメシを食いに行きましょう」と半ば冗談めかして言った企業の経営者だった人。
悠々自適の老後。それを体現出来ている人はどれくらいいるのだろう。
もう数年たってからの我々老夫婦。「サ高住」になんて入れっこない。
なんでこんなぼやき節を書いているのか。
むのたけじの言葉ではないが、「考える」ということを考えたからだ。
お目ざわりでした。
2016年10月24日月曜日
“チェルノブイリ”異聞
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