2016年10月26日水曜日

この国は“原発後進国”なのかもしれない

あの小国台湾が「原発」から脱却することを決めた。
その他の小国にも、それはリトアニアだったか、原発から撤退することを決めた国もある。

台湾が原発脱却を決めたのは、あの「3・11」での日本の状況を見て、原発の存在を考えて出した結論だ。あの災害に学んだのだ。

台湾は「3・11」時にいち早く我が国に対して支援、援助を行ってくれた国だ。

近代史の中では台湾と日本の間には、さまざま「軋轢」もあった。
田中角栄が成し遂げた日中国交回復。それの“犠牲”になったのは台湾。

しかし、今は台湾と日本は文字通り「一衣帯水」の間柄になっていると思う。

とにかく台湾と言う国は、今の台湾の政権は、日本に学んで原発を止めることにした。
台湾が学んでなぜ当事者の国が学べないのか。摩訶不思議なことなのだ。

新潟県は新潟市民は福島に学んだ。知事選挙の事だが。“民意”は原発ノーだったのだ。

選挙報道の常だが、政治の専門家と言う人は、選挙の結果について、政党間の問題や支持団体の問題を論議する。労組のこと。連合という“組織”のこと。
もっと根源的なことを議論すべきではないのか。

確かに「連合」という組織は理解に苦しむ。

「3・11」後、沈黙を守る東電労組に激しく疑義を唱えてみた。上部団体の電気労連にも。そして連合にも。
NHK労組の日放労にも民放連にも新聞労連にも“文句”を書いた。

しかしマスコミ労組も大方は”沈黙“の側にいた。

「原発反対」を叫んだ“制服向上委員会”というアイドル歌手のグル―プはどうしているのだろう。
キザの塊だった石田純一はテレビで姿を見ることがなくなった。
シールズに希望をみたと言った長淵剛の話しも、今は、テレビでは聞けない。
干されているのだろうか・・・。

かつて、田中角栄事務所は平河町の砂防会館というところの中にあった。元自民党本部があったところだ。

自民党本部は国有地であった国会用地の一部を借りる形で今のところに移った。

総理大臣になってからも角栄は「公務」が終わると砂防会館の事務所に立ち寄っていた。

その頃のある日の記憶がある。

角栄がエレベーターを降りると廊下や人のいない会議室に煌々と電気がついていた。彼はそのスイッチを一つ一つ切って回った。
「無駄はいかん」と。
片や原発推進の旗振り役のような政治もやり、片や電気の無駄遣いを怒った。

「エネルギーの大事さ」を痛感していたからではないか。

今流行の「角栄本」の中にはこんな話は登場しない。

少なくとも「福島原発」の建設に意を用いたのは彼だ。電源三法を作り、立地地域や福島県までも“潤わさせた”。
列島改造論にもつながる電源三法。

しかし、当時と今とでは立地地域の在り方も国が必要とするエネルギー需要も違う。

要するに電気は足りているのだ。

電気。それには角栄のやったような「節約」を旨とする倫理観すら伴う。
電気を生んで来た原発。そこには倫理観は無い。
少なくとも昨今の政治の中では。

小泉純一郎は“不明”だったことをもっと恥じて、原発ゼロ運動に積極的に動くべきだ。賛同する政治家がいないとも限らない。

原発再稼働推進。それは原発というものについて言えば“後進国”なのだ。

原発に関して「福島県民」の”民意“はよくわからない。

民意どころでは無い。知事の言っていることすら理解不能なのだ。

最近アメリカで言ったこと。

“「避難地域は県全体の面積の5%のみで、95%では市民は通常の生活を送っている」”という認識。

5%の地域の避難者とは8万8千人だ。震災関連死も止まらない。深刻なのは自殺だ。
数字では語れない5%の厳しい現実に目を向けていかなければ、福島の復興などありえない。

廃炉の経費はよりかさんでくる。東電は「分社化」という手練手管を弄してくる。
「原発戦争」はまだまだ続く。その中で、少なくとも福島県が“原発後進県”であってほしくはないと念じるのみなのだが。

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