いつの頃からか。コンビニ敬語という言葉が登場し、マニュアル敬語という”気持ち“を伴わない言葉が溢れ、その多くは日本語の”誤用“であったにもかかわらず、ある意味一般化されて行った。
テレビのバラエティー番組に登場するタレントと称する人達が、しきりに独特の“業界用語”をばらまき、若者はそれを「格好いい」と受け止めて真似していた。
そう言われていたのか、僕が勝手に命名したのかは覚えていないが、「KY式略語」なるものが「当たり前」のように使われていた。
それらを好んで使っていたのが、その頃の中学生や高校生、大学生、そして若者に媚びる大人・・・。
日本語の読めない総理大臣が登場してから、「おたく文化」なるものに迎合した総理大臣が登場してから、この国の「言葉」は完全に劣化していっていた。
KYとは「空気読めない」の略だとされた。その場の空気、つまり雰囲気を「阻害」するような言動、行動は仲間うちから排除の対象とされ、「空気の読めない子」は仲間外れにされていた。
これが「KY世代」の実相を的確に表現しているかどうかは疑問だが、とにかくそんな風に解していた。
もうすこし突き詰めて言えば、世の中の事には無関心。世の中の空気を読もうとしない。その日だけが楽しければいいという世代と言えないこともない。
KYから始まって、そのカテゴリーの用語。例えばJK。女子高生だというのだ。
JKと言えば、ジョン・F・ケネディと思う世代の僕。
PKはパンツ食い込む。サッカーのペナルティーキックだと思っていたが。
ITはアイス食べたい。CBは超微妙・・・。
そう、KYは「漢字読めない」の事だとも思っていた爺。
これらの「言葉」をおおよそ全否定していたが、どうもそれらの世代の子たちの深淵は覗いていなかったような。反省だ。
戦争法案反対、安倍政権打倒を訴える若者たちが確実に増えている。集会でマイクを握り、恐れることなく自分たちの主張を訴え始めた。
かつての全共闘は、全員がマスク姿。顔は隠していた。今の若者はそれをしない。露出することでの「不利益」はあるかもしれないが、「今言わないでいつ言うのだ」という強い意志。
シールズという若者を中心にした集会でこんなことを言っていた女の子がいた。
「私たちはKY世代です。KYの中で育ちました。もちろん政治にも関心はありませんでした。でも、今は違います。“空気を読まない”“読めない”ではなく“空気を読んだ”のです。ここに来て空気を知ったのです。とにかく民主主義を否定する政府のやり方には納得がいかないのです」。
その子の言葉を聞いてハッとした。
いつの時代でも、若者は「考えている」のだと。「考え始めた」のだと。
KYは「空気を読もう」という呼びかけ語になったのだと。
おこがましい言い方だけど「見直したぜ。君たちを」だ。
新たなKY世代が生まれたのだとも。
警備に囲まれた塀の中にいる大人たち。塀の中の懲りない面々。世論、世論と口にはするが、表の空気を全く読まない。読もうともしない。騒音と片付けている。
KYは今や、安倍政権に付けられた言葉なのかもしれないと。
世論調査でも安倍内閣の支持率は低下している。不支持が上回っている。
その空気も読まいのだろう。
支持率の低下。なんか55年前の岸の時代にそっくりだ。
空気、流れ、風・・・。見えないものを見る眼とでも言えようか。「研究」する価値は大きいのだと思う。
2015年7月13日月曜日
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