少なくとも、「戦争法案」をめぐって「解釈改憲」をめぐって“安倍政治反対”を叫ぶ人達の声が安倍のもとに届いているのだろうか。
彼の中ではそれは単なる「騒音」としかとられていないのだろう。
「声なき声」どころか「聞こえない声」「聴く耳持たない声」なのだろう。
でも、多くの人たちが声を上げはじめている。上げ続けている。
その声は、田舎町の片隅に住む僕の元へも陰に陽に届いてくる。
通称「ドリカム」という歌のグループは何年も歌い続けている曲がある。
“何度でも”という歌。もちろんそれは「恋」の歌ではあるのだが、そこにある歌詞が、呼びかけが、都心はもとより、全国各地に広がる街頭行動、市民集会、国会前デモ、渋谷での抗議行動に集まった人達への“応援歌”のように聞こえるのだ。
♪こみ上げてくる涙を 何回拭いたら
伝えたい言葉は 届くだろう?
誰かや何かに怒っても 出口はないなら
何度でも何度でも何度でも 立ち上がり呼ぶよ きみの名前 声が涸れるまで
悔しくて苦しくて がんばってもどうしようもない時も きみを思い出すよ
10000回だめで へとへとになっても
10001回目は 何か 変わるかもしれない
何度でも何度でも何度でも 立ち上がり呼ぶよ きみの名前 声が涸れるまで
落ち込んでやる気ももう底ついて がんばれない時も きみを思い出すよ
10000回だめで かっこ悪くても
10001回目は 何か 変わるかもしれない
前を向いてしがみついて胸掻きむしってあきらめないで叫べ!
この先も躓いて傷ついて傷つけて終わりのないやり場のない怒りさえ
もどかしく抱きながら
どうしてわからないんだ?伝わらないんだ? 喘ぎ嘆きながら
自分と戦ってみるよ
10000回だめで 望みなくなっても
10001回目は 来る
きみを叫ぶ声 力にしていくよ 何度も
明日がその10001回目かもしれない…♪
1万回はダメでも1万1回目には「届くかもしれない」。そう信じて声を上げることが今を生きていると言うことなのだと。「きみ」を「あべ」に置き換えれば明瞭だ。
歌手のさだまさしが20年くらい前に書いた曲がある。
「風に立つライオン」。
ケニアで現地の人たちの医療に携わる知人でもある医師をモデルにした歌だ。恋人から別の人と結婚すると告げられての返信。
その中の一節。
♪三年の間あちらこちらを廻り
その感動を君と分けたいと思ったことが沢山ありました
ビクトリア湖の朝焼け 100万羽のフラミンゴが
一斉に翔び発つ時 暗くなる空や
キリマンジャロの白い雪 草原の象のシルエット
何より僕の患者たちの 瞳の美しさ
この偉大な自然の中で病と向かい合えば
神様について ヒトについて 考えるものですね
やはり僕たちの国は残念だけれど何か
大切な処で道を間違えたようですね
診療所に集まる人々は病気だけれど
少なくとも心は僕より健康なのですよ
僕はやはり来てよかったと思っています
辛くないと言えば嘘になるけど しあわせです
あなたや日本を捨てた訳ではなく
僕は「現在(いま)」を生きることに思い上がりたくないのです
空を切り裂いて落下する滝のように
僕はよどみない生命(いのち)を生きたい
キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空
僕は風に向かって立つライオンでありたい♪
ライオンというのは、悩みや挫折しそうな辛い事がたくさんあるような逆境の中でも「くじけるもんか」という意味だとさだまさし自身が語っているという。
たしかにこの国は道を間違えたのだ。さらに道を間違えようとしている。
だから今、街頭に立って声を上げる人たちに、限りなく「ライオン」であって欲しいと思う。
そして、そのライオンと浪江の“希望の牧場”の「ベコ・トラ」に掲げられた牛の像が重なる。
2015年7月7日火曜日
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