寒立馬。かんだちめ。青森県下北半島東通村、大間岬の尻屋崎に放牧されている馬です。
一度冬の時期に見にいったことがあります。どうしても一回見たかった光景。
厳寒の地に立ち尽くすーーーまさにそんな光景に感動した記憶があります。元は田名部馬といったそうです。農耕馬なんでしょう。粗食に耐え寒さをも耐え忍ぶ・・・。
「東雲に勇みいななく寒立馬 筑紫ケ原の嵐ものかは」。地元の人がそう詠んでから定着した名前とか。
身じろぎもせず、雪と風に向かい、まさに海に向かって立っているー。時々雪を払うように身を震わせるものの、毅然として立っている。そんな姿に感動したものです。
先日、友人と一献。話題がこの馬のことに。それは、その店に飾ってあった写真か絵が寒立馬だった。その寒立馬は、春の牧草を食み、数頭が首を上げて喜んでいる光景。笑っているような表情。
憮然とした友人が語り始めました。「あの寒立馬は違う。俺の中の寒立馬ではない。やはり風雪に耐えてる姿でないと。おれは事業を立ち上げるとき、あの馬に会いたくて大間に行った。寒さに震えながら、あの馬を見て、いろんなことを自分に誓った。今でも、苦しいときにあの馬の姿を思い、寒立馬のように生きて行きたいと思っているんだ。酔いも手伝ってか、彼の眼には光るものが。今やそこそこの会社の社長として成功している彼。彼の心の中に寒立馬がいたとは知りませんでした。
なぜか曇り空の今日、寒くなるとの予報。北の空に寒立馬が浮かんできて・・・。
テレビでは今日もあの能天気そうな麻生君の顔が大写し。やること為すこと喋ること、皆逆風となって襲い掛かっている。もしかしたら麻生くんも寒立馬を想っているかな、いや、絶対想っていまいでしょう。存在すらしらないでしょう。
想っていたら馬はヒヒ?ンと怒りのいななきを発するでしょう・・・・。