8月15日。終戦記念日。この日の前後のテレビはモノクロ映像が必ず登場します。
そうでう。戦争を記録した画像。戦後を記録した映像・・・。
その映像は記憶を呼び覚まし、まさにモノクロだった自分の過去を思い出させてもくれ。
生き証人たちは間もなくいなくなるでしょう。語り継ぐべき事象は、伝承として残されたとしても、映像がある限り、あの歴史はたぶん消えない・・・。映像だけはその時カメラがとらえた"事実"だけは風化させない。
きょうも酷暑です。64年前の8月15日も酷暑だったとか。そ前の8月6日も8日も酷暑だったとか。
モノクロ画像の番組が終わると、テレビの画面はこれでもかというくら極彩色でキラビヤカな画面に変わる・・・。かつて日本が焦土であったことが嘘のような。
照りつける太陽のせいか、街の光景は陽炎の中に潜み、なぜか色であふれた街もモノクロにみえるようです。
モノクロの夏。せめて毎年8月15日だけはモノクロの夏の一日であってもいいのかと。
ここ数日「テレビの青春」という本を読んでいました。元TBS社員でテレビマンユニオンの今野 勉氏のいわば自伝。放送のかなりの時間が生であり、もちろんモノクロであり、ニュース映像も16ミリフィルムのモノクロだった時代。昭和30年代。
カラー化されたテレビ、ハイビジョンとなったテレビ、そしてデジタル・・・。短いテレビの歴史が、テレビの無かった時代をも伝えてくれる。
あの64年以上も前。仮にカラー化がされていたとしても、どこにも色のなかった被写体。焦土・・・。空だけはきょうのように真っ青。青、青だったはず・・・。
モノクロ時代を知っている人間には、今でも、頭の中はモノクロなのかと・・・・。