長い間、闘病生活というか、老いて病んでいた澪。今朝、すーと息を引き取りました。いつ死んだのかわからないくらい。全く自然に。もちろん苦しみもせず。声をあげるわけでもなく。大往生というところでしょうか。
朝7時頃、大便小便の気配ありで、それをふき取った時には体は動いていたそうです。昨日は、もちろん流動食ですが、朝も夕方もしっかり食べて。そして一夜。
急変わからず。抱いていたら、どうも頭のあたりがちょっと冷たいような気がして、心臓触ってみても鼓動を把握できず。きょうはたまたま動物病院休診日。ちょっと不安になって病院へ電話。もちろんつながらず。で、病院の裏の先生の自宅を訪問。すぐに連れてきてください、点滴しましょうってことで連れていくと聴診器に反応無し。点滴しようにも血圧なくて針がささらない状態。
「いま、澪ちゃんの魂はたぶんこのあたりをさまよっているのでしょうね」と先生。先生にもかわいがられていた澪。先生も泣きながら最後の始末を施してくれました。病院の飼い犬モーくんも心配そうに。
連れて帰ってくるとゲンキに異変。すでに朝の段階で吐いていたそうですが、遺体をなめたりかじったり。よみがえりの努力をしているのか。あきらめる様子無し。そのうち吠えたり走りまわったり。
目は開いたままの状態。どう見ても死んだようには見えず。死ぬ前のかくんと首を垂れるような様子もなかった。いつ臨終をむかえたのか。わからずのような自然死。
「稀有な例です」と先生も言っていたけど・・・。飼い主にお別れ言ったのか。昨夜は夢の中でずっと左の胸に澪がいる夢をみていたのですが。お知らせしてくれていたのかも。
寝顔は穏やかです。いつまでたっても生きているような。なんか今にも動き出しそうな。苦悶の表情などどこにも無く・・・。
今は花に囲まれています。
今朝、澪がどうなっているのかわからずに新聞を読んでいた亭主。先頃亡くなった歌人の河野裕子さんの亡くなる前日に呼んだ最後の一首に涙していました。
手をのべてあなたとあなたに触れたきに 息が足りないこの世の息が
もしかしたら、澪もそう思っていたのでは。夢といい、その時間といい。悲しいけどお互い十分やりつくした。そんな思いの別れです。開いたままの目は澄んでいます。たぶん、澪も思い残すことはなかったかも。
明日一日は家に置いてやるつもりです。そして荼毘に。骨はもちろん家に持って帰ってきます。物言わぬ澪とあいさつを交わすあらたな日常が生まれます。