沖縄名護市長選の結果を受けての米軍基地再編問題での平野官房長官の発言が物議をかもしています。基地問題に選挙結果を「斟酌」しないと言ったこと。言葉の使い方、解釈の仕方でとりようはいろいろでしょうが、おしなべて非難の色彩強く。
斟酌・あらためて広辞苑をひくと「その時の事情や相手の心情などを十分に考慮してほどよく取りはからうこと」とあります。その時の事情ーーーそれは僅差ながらも基地移転反対を唱えた人が市長に選ばれたこと。一輪咲いても花は花。僅差といえども反対が勝った。それが名護市民の"民意"となる。斟酌しないとは心情に考慮してほどよくという辞書に書かれた意味に従えば、選挙結果を無視したと言われても仕方ない。少なくとも官房長官という政府のスポークスマンに当たる人の言葉としてはいただけない。
で、平野くんの発言に至る心情を斟酌してみるとーーーー。結果は僅差だった。反対派は辺野古以外の住民に多く、辺野古住民は基地賛成の人が多かった。そんな票の分析に基づいているのかも。沖縄の基地周辺に暮らす人達は、長年の基地との共存の中で、商売や仕事をしている。基地が無くなれば自分達の生活が立ちいかない。そんなジレンマを抱えての苦渋の選択もあるはず。その辺の深読みがあの発言になったのかと。言わずが花なんですがね。発言の真意を糊塗するためにか。挙げ句の果ては法律論まで持ち出してみたり。
斟酌と同義語ではありませんが忖度という言葉もあります。他人の心中をおしはかること。上記は平野くんの心中忖度みたい(笑)。それとも出口が見えずもだえる鳩山くんの心中を忖度しての発言か。なんだかんだ言っても辺野古以外に解決方法は無いという。語るに落ちたと。
どうも鳩山周辺には名参謀おらず。名参謀が居ないということは将たる器にあらざるということか。自らも周囲も言葉多くして災い招くのみ。寡黙なれば説明責任を云々されるし。
とまれ、ここ何年も言葉に重みがあり、真の名言残す政治家無きを悲しむのでありまして。