2010年10月14日木曜日

智・智・智、利・利・利

南米チリ共和国に日本語では「智利」という字をあてるという。


落盤事故。被災者33人、全員救出。助け出された人は地上にあがって叫ぶ。「チチチ、リリリ」と。なぜ智利という日本語があてられたのかはわからないが、救出劇、まさに智と利の賜物だったような。救出されて人の「チチチ、リリリ」は「智・智・智、利・利・利」という字を伝えているように聞こえる。


まさに奇跡の生還。智の勝利とも。科学技術、先端技術の進歩が貢献した。技術力の勝利。しかし、根底にあったのは「生きよう」とする人たちの意思。そして人同士の連帯。精神力。


地上で出迎えた人たちは大統領をはじめ、みな、涙とともにチリの国家を歌う。


もし・・・。これが日本であった事故。そして救出劇だったとして全員帰還の暁に、こぞって国家を歌うのだろうか・・・・。


技術の進歩、ITの力。世界中に救出劇がテレビやインターネットを通して生中継される。世界中が喜びの声を上げる。世界中が一つになっている・・・。


生還に涙する人々。その裏側で今、まさに、理不尽な「死」に遭遇している人もいる。「生」とは、「死」とは。


33人の作業員。もしかしたら一時は死を覚悟したかもしれない。それを希望に変えたものは・・・。


カトリック教徒が国民の7割を占めるというチリ。最後に救出されてリーダーは言う。「神に感謝」と。


天・智・人。天の利、地の利、時の利。人の利。


地中で暮らした69日。耐え抜いた精神力。この先、たとえPTSD症状があろともきっと彼らは乗り越えるのではないかと。


彼らにあやかろうとしてきっと売れるであろうチリワイン。彼らがそれで乾杯する時も近い。それにしても何で智利だったのか。不思議なのであります。



“チェルノブイリ”異聞

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