2013年11月10日日曜日

「よらしむべし、しらしむべからず」


東日本女子駅伝を見てしまった。駅伝でもマラソンでも、ただひた走る姿を見ているのが好きなのだ。

思いだす一昨年。この福島市を駆け抜ける駅伝に「若い女の子を将来子供が産めない女性にするのか」というばかばかしい、ほんと愚にも付かない言いがかりをつけていた高名な学者、それに追随するネット族。たしかあの今は議員さんも言っていたと。

国会議員の質もまあ、よくここまで落ちたものだと思う。

論語にある言葉。為政者の心得を言ったものとしてよく使われる言葉。
「民は、由らしむべし、知らしむベからず」。

子曰、民可使由之、不可使知之。

特定秘密保護法案をめぐって、この言葉が引用される。もちろん安倍の「専制君主的」な考えを批判して。

論語の解釈は難しい。簡裁に書かれた漢字を読み解くのは難しい。字間や行間にある意味や言葉を読みとらなければないから。

民は従はさせればいい、何も知らせる必要はない。民を衆愚と見立て、そういう解釈をする向きが多い。だから、この言葉が安倍に向けられる。

ある師はこう読み解いてくれた。
「民に慕ってもらえるような政治をすべきである。何を考えているのかわかってもらえるような努力をすべきである。しかし、わかってもらうにどうするかは難しい。が、そのことに腐心すべきである」。それが孔子の教えの真意であると。


どうも、この論語の“間違った”解釈がまかり通っているようだ。いた、安倍はその間違った解釈を是としているのだろう。論語を読んだことがあるかどうかは知らないが。

少なくとも、ボクの師が教えてくれたような解釈は念頭にはないのだろう。

ま、なんにしても「不」という一文字の解釈は難しい。

「私の考えは理解していただけるように縷々ご説明申し上げているつもりです。頭っから理解しようとしない方がいることが不思議なんです」。

こんな答えが返ってくるのかもしれない。

安倍のアナクロニズム的な政治思考、専制的な国家観。どうも目に余る。

日本版「NSC法案」から、官僚の統治を目指す「国家公務員法の改正」、つまり多くの高級官僚なるものの人事権を官邸が握る。そして秘密保護法案、あげくNHK経営委員の人選。

官僚もメディアも自分の意のままに動かそうということか。

殿、ご乱心。

昔の保守政治家は、知恵を碩学に求めた。論語にも精通していた安岡正篤氏も重用されていた。箴言を為政者は聞き入れていた。

今、そんな人は安倍の周りにはいない。いても寄せ付けないのだろう。

学者と言いながら、文化人と言いながら、多くは権力に擦り寄る輩ばかりのような。

衣の下の鎧。そんな言葉も浮かぶ。

この法案、どう考えても、知れば知るほど、見聞きすればするほど、危険な法案なんだと。民草にとっては。

そして議員はあまりにも無知、お粗末すぎる。その一例。
「総理大臣の動静は秘密です。毎日の動静を新聞に載せるのはおかしい」。そう真顔で言ったあの女。

自民党ともあろう政党がよくそれを容認しているとは。

開かれた政党が自民党のうたい文句だった。はず。

与党の公明党、あの信濃町の内部は秘密のベールに閉ざされたまま。

野党。共産党はかつて、ソビエトは鉄のカーテンの中にクレムリンの姿は覆い隠されていた。

野党は機能不全。

言論人も、文化人も、マスコミも、それに反対するには迫力を欠く。

民放会長は勲章貰ってだんまりを決め込む。彼だってもとは報道畑出身だったのに。

ちょっと歴史を、それも昭和の歴史をひも解けばわかるはずの危険さ、恐ろしさ。世論はもっと気付いていいはずなんだけど。

秘密。その言葉は今でも恐ろしい。原発事故後は、その影響や実相は「秘密の中」に隠されていた。そして、あの時の本当の経緯は未だ明らかになっていない。

FAXをだれがどこに送ったか。だれが受け取ったか。どうしたか。そんなことすら明らかになっていない。

公務員は委縮するんだろうな。国を思って“反乱”を起こすような気概を持つ人はいなくなるんだろうな・・・。

秋空の暗さは心の暗さに連鎖してくるようで・・・。

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