2013年11月29日金曜日

今ほど政治が問われている時は無い

毎月連載しているコラムにこんなことを書いていた。衆院選の後も、参院選の後も。
「あなた方がいくら政治を見放しても、政治はあなた方を放ってはおかない。あなた方の日常を支配してくる」と。
選挙で棄権が増え、関心が無い、誰がやっても同じといった世論調査結果がいつものように言われていることに関して。

やっぱりそうだったでしょ。放ってはおかない。支配してくる。特定機密保護法がその最たるものでしょ。

でも、まだ、この法案が「自分たちには関係ない」と思っている人が多いのでは。
「知る権利「「報道の自由」、それは対マスコミとのこと。何ら国家秘密に関与するわけもない自分たちには無関係な話だと思っている人がまだまだ多いのでは。

この無関心さに政治は付け込んでくる。

数日前、警職法のことを書いた。その反対デモに高校生ながら参加したことを。そのデモのわかりやすいスローガンは「デートも出来ない警職法」だった。

警職法改正案は結局廃案になった。余談だが・・・。その後、こんな歌が流行っていた。♪若いおまわりさん♪
「もしもし、ベンチでささやくお二人さん。早くお帰り夜がふける。野暮な説教するんじゃないが、近ごろここらは物騒だ。話の続きは明日にしたら。今なら間に合う終電車♪。そんな歌詞だったか。
この歌詞をどう受けとったらいいのか。複雑な思いだったという思い出。

秘密保護法が成立すれば、それは、必ず市民生活に影響してくるんです。「マスコミの知る権利」が奪われるということは、あなた方の知る権利が奪われ、何も知らない中で暮らしていくということになるのです。

例えば小林よしのりの「ゴーマニズム宣言」は読めなくなるのです。

法案をめぐる国会審議。ただただ官僚の書いた紙を読み上げ、自分が言っていることの意味すらわかってないような担当大臣。
閣僚間の答弁も食い違い、閣内不一致をさらけだしても、なんとか辻褄あわせに終始する内閣。
与党との答弁にも食い違いがあっても、それを追及しきれない野党。

審議なるものをすればするほど「ボロが出てくる」国会。

多分、審議打ち切り、強行採決となるはず。言論を封じるために言論を打ち切るという行為が。

この法律に酷似した治安維持法は、あまねく国民生活に影響していた。何も言えない世の中になっていた。その当時のことを知る人はだんだん少なくなっていく・・・。

この法案は国会議員も拘束する。国政報告会でも国家の“秘密”、秘密にそぐわないものであっても。職務上知り得たことを選挙民に知らせれば、それは処罰の対象になる。国政調査権なんて発揮できない。国会議員が議員でなくなる。

そう国会審議でも、官僚作文を棒読みする大臣が言っている。国会議員はそれを黙って党議拘束かどうかは知らないが、政権に加担して通せ通せっていう神経がわからない。

国会議員さんよ、あなた方も「被疑者」になるということを。知っていてもこの法律を望むのですか。

今、まさに政治が試されている。

広島高裁は先の参院選を「即時無効」とする判決を出した。“無効”の選挙で選ばれた議員さんが、怠慢を指摘された議員さんが、今、秘密保護法の審議をやっている。
大方は、どうせ高裁判決、最高裁じゃ無いとタカをくくっている。うわっつらだけ”恭順“の言葉を述べながら。

今ほど、政治が問われている時は無いと。

知らない。知る必要もない。無関係、無関心。それを止めませんか。

見放していても、政治は襲ってくるのですよ。

高裁判断ではあなた方は違憲の中で生まれた議員。秘密保護法も概念としては基本的人権を侵害する違憲法案。

国会議員の中には法曹界出身者も多い。あの担当大臣だって弁護士。司法に連なるものが司法をないがしろにしている。

そんな政治の中に我々は身を置いているということ。

円安、株高。安倍政治はそれを謳歌している。安倍ちゃんの高笑いが聞えてくる。自分の思い通りにこの国がなっていっていることに。

今、笑いが、本当の笑いが必要なのは、笑顔が必要なのは被災地の仮設で暮らす人、肩身を狭くして暮らす自主避難者なのだ。

彼らから笑顔を取り上げているのは政治家なのだ。森雅子さんとやら、あなたの選挙区は被災地なんですよ。ど真ん中なんですよ。よくもまあ、「原発」が秘密にあたるとか言えたもんだ。

“チェルノブイリ”異聞

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