一口でいう「AKB48現象」。もはや立派な、この「平成」という時代にあっての「文化」なのだろう。
一人の音楽家の発案で生まれ、その人はやはり“天才”だったのだろう。ビジネスとしても。まさしく文化になってしまったのだ。それは、多くの人を引いつけるものがあったからだろう。
周りにもAKBフアンは多い。50のおっちゃんも30台も。田原総一朗もフアンだとか。
郡山の町でもAKBファッションの女の子をよく見かける。ファッションは秋葉原。話す言葉はぎんぎんの郡山弁。その“落差”がなぜか微笑ましい。
AKB総選挙というのがあったそうだ。人気の順位を決めるような。
7万人のフアンが雨の中参加したという。
会場で7万人の“民意”が行使された。棄権はもちろん無し。投票権をどうやって手に入れるのかまでは知らないが。
そんな記事を見ながら考える。民主主義のことを。
きのう行われた東京の中野区長選。投票率は29%余りだった。30%に満たない“民意”がそこにあった。
選挙における投票という行動の、民主主義の根幹を為す「選挙」。民意の表明。
AKB、投票率100%。区政29%。
もちろん比較対象の事案でないことは百も承知。
しかし、この現象が今の日本なんだと。AKBというのが一つの時代に咲いた徒花になるかどうかはともかく。
AKBの選挙には、積極的手段を講じて投票券を手に入れる。だまって投票券が送られてくる国政、区政の選挙には全く興味を示さない。
国民としての、市民、区民としての最大の権利行使には加わらない。
「民主主義」と「民意」。いま、それが福島で試されている。選挙のことではなく。
帰還問題、中間貯蔵施設問題、処分場建設問題。
住民説明会。住民、地元民の合意。
すべてに於いて「民意」が問われている。
全員一致の合意は有り得ない。100%は無い。
民意の延長にある「合意」と「納得」。それに至る手法は・・・。
十分な説明と国や行政は言う。住民からは不十分だと言われる。説明会に至るまでにさんざん待たされ、会が持たれると急な結論を求められる。
今の与党協議の在り方とまったく同じような。
政治の世界では“常識”として有る「ガス抜き」。永田町の常識は、地域住民のとっての“非常識”。
丁寧な説明と国は言う。机をはさんで向き合って、同じことを何回もいう。それが丁寧ということか。
丁寧と言うなら、住民の各戸を回れよ。一軒、一軒。仮設を回れよ、一戸、一戸。何時間でも差しで話し合えよ。そこに誠意を感じさせろ。
「わざわざ来てくれて長い時間話をしてくれてありがとう」と純朴な福島の人は答えるかもしれない。例え提案が不本意なものであり、その意にそえないものであろうとも。
誠意を感じさせること。それが丁寧な説明ということだ。
100人単位で呼びつけて話をしても、そこでは言いたいことも言えない人が一杯いる。地域の”分断“”軋轢“を避けたいからだ。
だから、福島の地で、小さな民主主義、地域社会の民主主義、その理念が試されているとあえて言う。
AKBは民主主義をかちえた若い女性たちなのかもしれないとも。
2014年6月9日月曜日
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