今日は沖縄慰霊の日だ。沖縄を想う。あれから69年。テレビを通して沖縄と向き合う。
その頃僕はもちろん生まれていた。戦火におびえながら“内地”で右往左往していた。沖縄の子どもたちの事は知らなかった・・・。
20万の死者。戦争は必ず「死者」を生む。人為による「死者」を。
今日は沖縄に借りた「不戦の誓いの日」だと。
式典で読まれた子供の詩が胸に突き刺さる。「平和の詩」。
石垣市立真喜良小学校3年、増田健琉くんの詩。
「ぼくたちはいま、青い空の下で、ヤギの鳴き声をききながら、友達と遊び、平和に暮らしている。
遠くの空の下では戦争をしている。その空は灰色だ。悲しい空だ。
空はつながっているはずだ。どこまでが青い空で、何処からが灰色の空なのだろう。
戦争は国と国との喧嘩だ。譲り合う心があればきっと世界は手をつなぎ合える」。
とっさに書き留めた詩。
去年は6歳の子供の詩が朗読された。与那国島の子ども。本になるとも言う。
「やさしいこころがにじになる。へいわっていいね。へいわってうれしいね。みんなのこころから、へいわがうまれるんだね。
ああ、ぼくは、へいわなときにうまれてよかったよ。このへいわが、ずっとつづいてほしい。みんなのえがおが、ずっとつづいてほしい」。
平和のために戦争にいくなんて、そこから平和は生まれない。優しい心じゃないと生まれない。
そんな事を6歳が詠んでいた。
安倍首相も挨拶した。何を語るか耳をそばだてた。
平和と安全を守ると言った。戦争を憎み平和を愛すると言った。
そして「沖縄の発展が日本の未来を築く」と言った。
「福島の再生無くして日本の再生無し」。似たフレーズだ。
安倍は間違ったことは言っていない。その通りだ。だけど、心に突き刺さり、胸が締め付けられるような思いがするのは、子どもの詩なのだ。
今朝の新聞の歌壇から引く。
「9条をわがものと思う政権のゆるがすこともなしと思えば」。
栄華を極めた時代の藤原道長の歌。
「この世ををば我が世とぞおもふ望月の欠けたることも無しと思へば」の“本歌取り”だ。諧謔に満ちている。
「のちの世にスマホ時代と語られるのどかな時代なんだろう、今」。
スマホの中で「戦争ゲーム」に「殺し合い」に大人も子供もうつつを抜かしている、今。
少し前、いわき明星大学であった復興サポート「震災を詠む2014」。
入選作の主流は高校生の作品だったような。
「母を乗せ 飯舘村への道すがら 幾度もつぶやく“仕方がないし・・・”」
余分な“解説”“解釈”は不要だ。
「帰る家 誰かの思いで流されて 巨大なゴミだとニュースは言った」。
2014年。4年後を詠んでいるということ。69年後、子どもたちは福島をどう詠むのだろう。
詩は詩にして詩に非ず。短歌は短歌にして短歌に非ず。
そこに「すべて」が包含されてりるということ。
2014年6月23日月曜日
“チェルノブイリ”異聞
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