一昨日から、大げさに言えば、地球上の人たちはサッカーワールドカップの虜になっているのかもしれない。
サッカーを通して、ワールドカップがあるから、いろんなことも知った。
昨日、ワールドカップの開幕戦。ブラジル対クロアチア。それを繰り返し伝えるテレビ。
どこかの局は、現地レポートが、「ブラジル国内は凄い盛り上がりです。サッカー一色に染まっています」とだけ伝える。ブラジルという国が、サッカーの盛んな国だからなおさらにか。なんか“定食”を与えられているようだ。予定稿を読んでいるようだ。
別の局は、サッカーによって住むところを“奪われ”、本来なら、サッカーフアンの人たちに「近いのに遠い国の出来事のようだ」と言わせ、武装警察が、反対デモを追いやる光景を伝える。
ブラジルという国が今、抱えている課題を。サッカーが無ければ伝えられないであろうその国の姿を。
日本の初戦の相手はコートジボアール。ドログバという選手が一時的にせよ、その国の内戦を一時停止させたことを知る。一人の人の言葉が国を動かしたということを。
そのチームの中には“敵対”している北出身の人も南出身の人も、一つになってゲームをやっているということも。
強豪スペインがオランダに敗れたことも。勝敗は、事の成り行きは予想通りにはいかないということも。
あえて生意気を言えば、サッカーというスポーツが人の生き方や世界を変える可能性もあるということを。
「3・11」後のあの女子サッカーなでしこジャパン。あの子たちの姿が災後を生きる人たちに大きな「力」となったことも思い出す。
長友にあこがれ、両親を亡くしたサッカー好きの少年が、ビデオカメラに向かって言ったことば。「長友さん、ぼくはやがて貴方を追い越します」。被災地の一人の少年の生き方はサッカーによって変わっていったということも思い出す。
3・11前の福島県富岡町にあったJビレッジのことを思い出す。何度、あの場に行ったことだろう。出来上がった時かた始まって、再三。
ホテルの集客がままなず、コートの一面を使ってゲートボール大会をやったことを。
ホテルに泊まって、夕方、コートに水を撒いている人の姿。翌朝も手入れしている姿。あの「緑」の光景はほんと、綺麗だった。そこにあった空気も。
そして感じていた、数キロ先には原発があるという光景が頭の片隅から離れなかったということも。
事故後、あの場が、あの芝生が、“前線基地”になり、車両で埋められ、ホテルは支援本部となり、作業員や関係者で埋め尽くされていたことを。
東電女子サッカー部。マリーゼの立ち上げの時も行ったよな。あそこに。
マリーゼからなでしこに何人もの選手が入っていたよな・・・。
強豪、富岡高校サッカー部。そこの出身で、郡山のスポーツジムでインストラクターをやっていた子、浪江に実家がある子。いろんな話をスタジオで話たよな。女子部員の数人は事故後、京都の名門校で受け入れてくれているということも風の便りのように聞いたよな。
そしてJビレッジの料理長がザック・ジャパンに帯同して、選手の食事作りにブラジルへ行っている。
日韓共同開催のワールドカップ時、Jビレッジは各国の選手が練習場に使っていたよな・・・。
一か月間、世界の“主役”はブラジルになる。テレビで観戦する。試合の結果だけではない。試合を通じて、そこから紡ぎだされる、数々のエピソード、それにも期待する。
第一線の笛を吹いた日本のレフリー。彼がこの大会の流れを決めた。審判は選手が育てたともどこかの解説で知った。Jリーグの「向上」が世界に通用する審判を生みだしたとも。
Jリーグが出来上がって時、神宮の国立競技場で上がる土日の歓声を、近くの慶応病院の一室で、窓を開けて、あの競技場の照明を見ていたなってことまでも。思い出してしまうんだよな・・・。
2014年6月14日土曜日
“チェルノブイリ”異聞
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