2014年6月24日火曜日

「院の品位」「議員の品位」

衆議院でも参議院でも、地方議会でも、“心得”として「議員の品位、議会の品位」を保たねばならないと書かれている。
品位に欠けた行動や言動は“懲罰”の対象ともされている。

良し悪しは別にして、議会での野次は付き物だった。時には「議場の花」とももてはやされた。
昔話で恐縮だが、昔に野次には、どこか“品格”があった。

戦前から戦後、憲政会や民主自由党、保守合同後の自由民主党議員だった「大物政治家」に三木武吉という人がいた。
政界の「寝業師」とも言われ、かつ「野次将軍」の異名をとった人物。

彼の野次のことは、昭和40年代頃の政治家の中では「語り草」だった。

原敬内閣時、時の蔵相は高橋是清。是清のあだ名は「だるま」だった。

高橋是清が軍事予算を説明中、「計画達成には陸軍は10年、海軍は8年・・・」と言いかけると、すかさず議場から野次を飛ばした。

「だるまは9年」と。

達磨大師が悟りを開くまでに9年かかったことをもじったものだ。

議場は湧きに沸いたという。そう、その頃の野次は、機知に富み、どこかその人の“教養”も見せていた。

三木武吉に倣って、そんな野次を“研究”していた議員もかつてはいた。

いつの間にか・・・。野次は“暴言”の類とされ、単なる“騒音”と化し、議事妨害の手段でしかなくなった。
「野次多数、発言聞き取れず」。速記者の議事録に書かれるくらいに。

国会の中での強行採決。必ず記事に使われた言葉。「野次と怒号が飛び交う中」。

演壇の発言が気に入らないと、大勢が議席の名札で机を叩く。それが品位を重んじる国会の姿だった。今でもそうか。

都議会での女性議員の質問中の野次騒動。セクハラだ、女性に対する侮蔑だと。

鈴木某とかいう都議が「卑怯者」であったことは間違いない。「嘘」をついていたのだから。
メディアの追及は、犯人捜しであり、嘘のこと。野次の本意を彼にほとんど問い質していないような。

この騒ぎに加担する気はさらさらないけれど、野次が飛ばされて時、みんなの党の同僚議員は、なぜ野次りかえさなかったのだろう。

三木武吉にはこんあ逸話もある。選挙の立会演説会で相手候補から非難された。
「三木は妾を4人も持っているけしからん奴だ」と。三木はすかさず切り返した。
「今の発言は嘘だ。訂正を要求する。私の妾は5人だ。しかも、ちゃんと食わしている」。

余計な話だが、もう一言。鈴木某が女性都議に謝罪に行った時、「先生の気持ちを害し」みたいなことを言っていた。
鈴木某にインタビューした記者も「先生は・・・」と呼びかけていた。

ばかばかしい。何がセンセイだよ。先生と呼ばれて嬉々とするなよ議員さん。
これ、日ごろから言っている持論なんですが。

委員会で答弁。「先生ご指摘の通り・・・」って。先生って敬称なのかな。品位の一環なのかな。
最近は「委員ご指摘の通り」に変わってきているようにも見られるが。国家ではね。


「やじ」は野次とも書くし、「弥次」とも書く。野次馬から馬と言う字と抜いたものだ。

野次馬とは、「興味本位で集まってくる人」、「自分とは関係ないことにすぐ興味を示し、人の尻馬に乗って騒ぎ立てる人」と辞書にはある。

でね、これも常々思っていること。
「福島」を野次馬根性で見るなよな。野次馬騒ぎに巻き込むなよな。

「真実で無い真実」がまことしやかに流布され、それをまさに尻馬に乗るかの如く拡散しまくっている人のなんと多いことか。

“チェルノブイリ”異聞

  ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...