2013年11月1日金曜日

「東電の黒字決算」に思うこと

東電の9月期中間決算で1,400億円を超す大幅な経常黒字となった。
最大の要因は電気代値上げによるものだという。
東電以外の10の電力会社も軒並み黒字決算。

今、日本では原発は一基も稼働していない。
「原発が無ければ、電力会社は赤字に転落する」。こぞって言われていたのに。

短絡的に言えば、原発が無くても電力会社は経営が維持できるということになる。

しかし、東電の決算は“粉飾”とは言わないが、うまいからくりの計算になっている。3兆円支払った損害賠償は特別損失。3兆円の除染費用も計上されていない。政府の支援があったからだ。

コストカットの影響も大きいという。その経費削減、コストカットが福島第一原発の作業員の待遇劣化につながっていないのか・・・。

黒字決算にしないと銀行からの融資が受けられないという理由から、無理矢理作った「決算」とも受け取れる。

とっくに“経営破綻”していてもいいはずの東電。それを「うるかして」おいて、黒字決算を作り上げる。
なんでだろう・・・。

黒字決算、1,400億円の利益計上。ならば福島県が請求している賠償費用や除染費用の請求に応じてもいいはず。町や村が起こしている請求に対しても。「金が無いから出せない」という理屈は通らなくなるはずとも。

東電への国の援助。税金を東電に注入することに多くの国民は異を唱えた。電力料金値上げにも異議を唱えた。

黒字である以上、その企業は存続する。
黒字ならもっと損害賠償などに手厚くしろよという議論にもなる。
でも、拒み続けるんだろうな・・・。

電力料金の値上げで黒字が出るという事は、それだけ電気の消費量が多いということにならないか。

冬場を控えて各電力会社は節電を訴える。

もし、仮に、電力依存のライフスタイル、社会システムを変えたらどうなる。電気の使用量が減ったら、電力料金による収入は減ることになるだろう。

とりあえず、今は、原発が無くても電気は足りている。電力会社は儲かっている。

「黒字になったのは一時的なもので、経営は依然厳しい」と経営者は言う。
「収益基盤は安定していない」とも。

電力各社は、再稼働を求める。「赤字体質はかわらない」として。

多くの国民は、数字の“マジック”かもしれない黒字決算と、原発再稼働のはざまで、揺れているはず。今は電気は足りているのだから。節電すればしのげると実感しているのだから。

節電による“減収”、値上げによる“増収”。

税金投入による東電の救済、値上げによる増収。いずれも「国民負担」を強いるもの。

傍ら、会計検査院がまた見つけた。復興予算の1,3兆円にも上る「流用」。被災地とは無関係に使われる復興予算と言う名の税金。
除染費用は60%が未消化だと指摘する。やる気があるのかないのか。

なにやかにやと理由は延べられるが、原発ゼロでも経営は維持されているというのが目下の現実、事実。

廃炉に向けての作業には、想像も出来ないような資金を必要とするだろう。一部地域での除染を断念し、移転計画にカネを使うという政府与党の方針。
中間貯蔵施設建設に向けての資金計画は。使用済み核燃料の貯蔵問題は、そのための積み立てに回るのかな。

結局、電力会社って「伏魔殿」なんだよな。黒字決算を喜んでいる奴はどういう奴らなんだろう。
配当を期待する株主か、金を貸せる銀行か。まさか役員報酬“引き上げ”ってことにはならないだろうな。

東電の決算が赤字であろうが黒字であろうが、福島の実相は何も変わらないということ。

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