日本は民主主義の国です。では、民主主義とは何かと聞かれた時、どういう風に答えますか・・・。
民主主義の「手段」の一つが議会制民主主義。つまり選挙。それは多数決原理であり、少数意見の尊重とされている。
国でも地方でも議会議員は選挙で選ぶ。それをして民意の反映という。だから国会は国権の最高機関だという。
だから民意が変われば政権も替わる。つまり選挙で、総理大臣といえども、最高権力者といえども替えることが出来る。
制度や理屈の上ではそうなる。
国会は立法府である。しかし、議員立法などはほとんどなく、(小沢はそれを禁止したし)、行政府、内閣が出してきた法案を審議するだけだ。
民主主義は憲法を始め、法律によって支えられている。とも言える。
法律に定められたことを順守するのが国民の義務だと。
民主主義ってなんだろう・・・。考え直す時期にきているのかもしれない。
昨日の国会。また安倍が吠えた。改憲をめぐって。96条の改正をめぐって。
彼の一語は、民主主義の“否定”だと思う。
「国会議員のたった三分の一の勢力で、国民の6,7割が望んでいたとしても、拒否してしまうのが果たしていいのか」。
たった三分の一。たった。独裁ってこういう発想なんだろうな。
3分の一の国会議員。それは3分の一の国民の選択。
彼の事を語るのは本当に疲れる。
自民党には「党内民主主義」という発想が伝統としてある。
自民党の中の最高意思決定機関は総務会という組織だ。
そこでは滅多に強行採決をしない。
熟議を重ねたり、説得したり、議論を重ねたり、時には「根回し」をしたり、恫喝をしてみたり。いろいろあるけど、最後は会長一任とか、満場一致とか、合意の道を探る。
党内民主主義はあるのに、国会では無い。
法律を作るのは誰か。作ってきたのは誰か。官僚だ。官僚は自らが都合のいいように法律を作り、法律を解釈する。
国家という統治機構は官僚によって成り立っている。その官僚機構を作り上げ、”成熟“した統治機構にしたのは、明治維新だ。明治維新が日本に官僚という「特権階級」を輩出した。
民主主義と民意。民意は、選挙と言う手段で政治家を選べることが出来る。しかし、民意は官僚には及ばない。
官僚をクビにしたり、任免することは出来ない。
官僚に「民意」を反映させる方法は無い。
日本の民主主義とはオカシナものだと思えてくる。
だから官僚は思いのままの国家観をもとに、保身のために、つまり省益、自分の利益、出世。そのためにさまざま細工を企てる。
政治家の顔色を伺いながら、内心は「バカ」にしながら、政治家をうまく利用する。政治家は官僚無くしては何も出来ない。
自民党の中の政務調査会。それは官僚機構を党内に持ち込んだもの。
その中にあっては、民主主義の“基本”である民意は都合よく「もてあそばれる」だけ。
一つの好例が、津波の被害にあった地域への防潮堤問題。それを一例にした、巨大公共工事プロジェクトクトの数々。
防潮堤は住民からの要望だといい、住民は異を唱える。県や町は、そのはざまで戸惑う。
住民合意という“民主主義”はそこには無い。押しつけがまかり通る。
巨大防潮堤工事で、得をするのは誰か。
とにかく「復旧」を錦の御旗にカネがつぎ込まれる。それが本当に必要なことなのかどうかは二の次。
もちろん一口で語りきれることではないが。
かつて堺屋太一が良く言っていたこと。”神話“として。
日米安保があるからアメリカは日本を守ってくれる。
官僚は優秀だから、政治家が総理大臣がどんな能力であろうとも日本は安泰だ。
その“思想”はいまだに日本の大きな「空気」として存在している。
それを民主主義として疑わなかった自由民権運動家たち。その一人、浪江の苅宿仲衛。彼の墓は地震で倒壊し、それは今もそのまま倒れていると聞く。
“チェルノブイリ”異聞
ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...
-
新しい年となった。雪の中だ。 良寛の詩作を引く。「草庵雪夜作」の題名。 回首七十有餘年 首 ( こうべ ) を回(めぐ)らせば七十有餘年 人間是非飽看破 人間の是非看破(かんぱ)に飽きたり 往来跡幽深夜雪 ...
-
ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...
-
そう、あれは6月の初めだったか。 急に視力が悪く、パソコンの画面が見え難くなった。 脳梗塞で入院した時、最初に診察してくれた当直の麻酔科の医師が「白内障が出てます。手術した方がいいですよ」と教えてくれていた。 その後転倒して、それも二回。 CT 検...