2015年4月14日火曜日

「鏡像自己認識」

“鏡像自己認識”という言葉がある。
鏡に映った自分の姿を自分だと認識できる能力のことを指すという。

いえね、人間てさ、なんでも見えていると思っているようだけど、自分の顔って見えないんだよね。
頭も背中も見えないんだよね。体の一部だけしか見えてないんだよね。

天照大御神の時代からの三種の神器。その一つに「八咫鏡(やたのかがみ)があるものそういうことかとも思いつつ。

そうなんだよな。鏡の力を借りなければ、鏡がなければ人は自分の顔も認知出来ないってことなんだよな。

他人の姿はいくらでも見られるのに、鏡に映さないと自分の姿はわからない。

だけど、鏡は顔かたちは映してくれるけど、心の中は反映してくれない。
鏡の向こう側にいる人が何を思い、何を考えている人なのかわからない。

そう、鏡を見ても自分とは・・・はわからないってことじゃないかな。


イッソップ物語にこんな話がある。
犬が肉をくわえながら川に映った自分の姿を、違う犬だと認識して、その犬、実は自分が川に映った姿なんだけど、その犬がくわえている肉を奪おうとして、肉を川に落としてしまう。欲をかくな。と言うような戒めの話とされているけれど。

我が家の犬。床に置いてあった鏡に自分の姿が映った。鏡を見ながら吠えていた。手で鏡をひっかいていた。どうにもならないのですぐにあきらめたようだったが。鏡と睨めっこしている犬の姿は可愛かった。思わず写真とたけど。

犬は「鏡像自己認知」って“能力”が無いと言われている。自分の顔がどうなっているのかわからないなんてなんか気の毒な気もするが。でも、おおむね“人格”は優れているようだ。

主人、飼い主との関係でもそうだけど。

 グリム童話にある「鏡よ、鏡よ、鏡さん、世界で一番きれいなのは誰?」と毎日魔法の鏡に問いかけていた王妃の物語。白雪姫のお話。

ワンダーランドだ。

2011年のある時まで、この国はワンダーランドの中にいた。爆発事故が起き、鏡は壊れた。壊れた鏡の先にあったものは、瓦礫と溶融した核燃料。

鏡を挟んでのワンダーランドくんと、世界の終りクンとの戦い。
なにやら蠢く「やみくろクン」。

今の世相を鏡はどう映しているのだろうか。

どっちが実像で、どっちが虚像なんだろうか・・・。

なにやらはっきりせぬ「うわごと」にて・・・。はい、ちょと風邪にかかったようでありまして。

“チェルノブイリ”異聞

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