ドローンとは蜂の羽音のことを言うのだそうだ。
ドローンは官邸の屋上で見つかったという報道があった時、「笑っちゃう話だが・・・」と言う風にちょこっと書いた覚えがあるが。
結局“犯人”は出頭し、逮捕され、反原発の意思表示として、ドローンに福島県内でとってきた土を搭載して、いわば官邸側に一泡吹かせてやろうとしたみたいなことを供述しているようだし、経過をブログに克明に載せているとも言う。
まったくもって「バカな奴」だし「いっちゃってる奴」と・・・。
この男が真剣に反原発の考えを持っていたのか、単なる「お騒がせ野郎」なのか、まったくもっとバカバカしい話なんだけど。
虻蜂取らずという言葉がある。同義語は二兎を追うものは一兎も得ずということだ。
真剣に反原発を訴えてきた人たちには迷惑この上ない話だ。
この世の中、なにかあると話に尾ひれがついて広がる。福島の土と言われただけでも福島にとってはいい迷惑だ。
官邸警備の間抜けさもさることながら、これを契機に、官房長官が咄嗟に言明したように、規制強化が進むだろう。
官邸前で毎週行われている反原発集会、行動への監視強化、規制強化は十分あり得る。
いかれた奴の犯行だとしても、それはいくらでも口実にされる。
真剣に反原発を言っている人たちにとってはとんでもない迷惑行為だ。
権力の側の監視、規制の強化だけではない。世間の眼も変わる。
世間を騒がせただけの、官邸周辺の警備の間抜けさを知らしめただけの、何も得ることが無かった行為。
今、この時代にあって、ネット社会が日常のなっている中にあって、「自己承認要求」心理があちこちに散見される中での起こるべくして起きたことと言っていいのだろう。
伝えられることから考えてみるにつけ。
おそらくこの「模倣犯」も出てくるだろう。一握りかどうかはともかく、世間を「あっと言わせてやろう」と思っている“欲望”を持った人間は居るのだから。
想像力の多大なる欠如。
この“犯人”にしてもそうだ。何等の意味も持たないバカげた行為。それが反原発に意を用いている人たちに与える限りない迷惑。
そして反対側にあっては、「ドローン」なるものが開発され実用化されている中で、この種の犯行に使われるだろうという想像すら持っていなかったような当局の限りない想像力の欠如。
想像力の欠如。それは反省材料どころか、何にも生かされていなかったということ。
3・11当時の政権側の想像力の無さが“悲劇”を拡大させていたということは、事故調の“検証”でも指摘されていたこと。
文明の利器なるものは「悪意」を持ってそれを使おうと考えれば、いかようにもなるということ。
文明の利器は両刃の剣だということ。
この“事件”を虻蜂取らずという教えを引いて語るのは適当でないこと十分承知。たまたま、ドローンが蜂だったからアブを引き合いに出してしまっただけのことだが。
これで「警備」という名の蜘蛛の糸はさらに張り巡らされるのだろう。
古賀のテレビにおける言は「蜂の一刺し」みたいなところはあったのだが・・・。
政権は、対米外交含めて、二兎どころか三兎も四兎を追っているの感ありだ。
一兎も得られず元の木阿弥になることだってあり得るかもしれないし。
どの国がアブでどの国が蜂なのかはともかくだ。
土曜の夕方、朧な中での妄語で。
“チェルノブイリ”異聞
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