いわゆる「増田レポート」なるものによって地方消滅ということが去年しきりと話題になった。
地方消滅とは一言でいうと「人口減」のことだとしよう。
過日日本の人口統計が発表された。
総人口は減っている。
そして地方の人口が減り、いわゆる大都市圏に人が移動している。その人口増地域には沖縄が入ってはいるが、それはあまり話題にされない。
東京への人口集中が問題視されるのだ。そして減少地域には、増田レポートにもあったように秋田が挙げられ、青森が挙げられている。
そして「政権」は「地方創生」を掲げ、なにかと対策を打っているような“ふり」をする。
この問題、えてして東京対地方という構図で捉えられがちだ。
戦後の一時期、いわゆる金の卵として、高度経済成長を支える労働力として地方から若い労働力が東京に移った。
若者のいなくなった地方は衰退し、人で溢れた東京は栄えた。
「労働力の収奪」とも言われた。
でも、それは昭和の40代半ばまでのこと。それから60年。東京は新しい問題を抱えた。もちろん東京だけでは無いかもしれないが、高齢化だ。
人口減と合わせて問題視されているのが少子高齢化の問題。高齢者と言う範疇に入る65歳以上は4人に1人ではなく、3、何人に1人。25%を割るという状況。
3・11の被災地で問題視されるのがその高齢化による“孤独死”なるものの事。それをどう食い止めるかが地域社会の仮設社会の大きな問題だ。
でもたぶん、“孤独死”なるものは都会の方が比率は高いのかもしれない。
孤独死。それを是とするか非とするか。その死と言うことの在り様も含めての社会問題。
この地方の人口減問題。福島の人口は大きく減っているだろうと世間では見られているはず。
未だ持って「福島は住めない」というご託宣が幅を利かせているのだから。
ところがどっこい。福島の人口減は「減っている地方」の中では最低なのだ。最低と言うのはおかしいかもしれない。減少幅が縮小しているのだ。
平成23年に大幅に流出した人口減に“歯止め”がかかっているということ。
しかし、高齢化率は高い。高齢者は27、8%だ。
でもそれは「合計特殊出生率」、つまり一人の女性が何人子供を産むかということ。それが減っているということでもないのだ。
この頃なんとなく思うことがある。
「福島県のことを一番知らないのは実は福島県人なのではないか」ということ。
福島県人が福島の実相を知ることに疲れを感じてしまっているのではないかということ。
26年度の統計では福島県の人口は193万5千人だ。その数字すらも把握している人は少ない様だ。
たとえば食品の安全の問題にしても然りだ。そこにある大きな問題。
「理性では理解しているつもりでも感情面で“疑問”がある」という抜き差しならない問題。
人口減、それをいかにして解決するか。地方から人が減る問題の根幹は雇用や仕事にある。
今、福島県には「雇用」はある。「仕事」もある。
住民票を持たない“昼間人口”、“労働人口”をくわえるとかなりの人がいるとみられる。除染なるものがある限りは。おしなべての見方だけど。
福島県人がもっと福島を知る。それも5年目の課題なのかもしれないとも。
なんとも言えない「もやもや感」の一つなのだ。
2015年4月19日日曜日
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