2015年4月30日木曜日

「言葉」が意味を為さなくなった世界

おかしな夢を見た。

母親の、ずっとしてなかった墓参に向かおうと郷里にむかう列車に乗った。
列車の中で、記憶が薄らいでいる母親のことを思い出していた。
母親は言っていた。
“あなたには男親が出来るように強い男になる方法、相手を力ずくで屈服させる方法を教えることは出来ない。スポーツが上手くなる方法も教えられない。
だから私はあなたに言葉を教える“。
そう言って母親は毎晩、物語を、言葉を聞かせてくれた。“あなたが字を読めるようになるまではね”と言って。

車中で居眠りをしていたみたいだが、降りるべき駅で目が覚めた。その駅は雰囲気も模様も全く異次元の世界だった。

すれ違う人は皆、アングロサクソンの顔をして、英語をしゃべっていた。改札口では持っていた切符が通用しなかった。改札口で戸惑っていると軍服を着た大きな男たちに囲まれ、連行された。その場には自動翻訳装置があり、それを通して“会話”が出来た。
やがて軍服を着た日本人の女性が、日本語が話せる女性が現れ、こう告げられた。

私たちは日本人です。あなたは旧日本人です。今や日本は生まれ変わりました。
民主主義の国になり、100%近い投票率で選ばれた人達で構成される国に生まれ変わっているのです。

時々、それに不服を唱えるあなた達旧日本人が現れます。旧日本人は隔離され、日本人になりかわれるまでそこで教育を受けなければならないのです。

そして軍用トラックのようなものに乗せられ、高いコンクリートの壁で囲まれた施設に入れられる・・・。そこはまるでカフカの「城」のような光景だった・・・。

夢と書いたが、昨夜寝る前に読んだ本の冒頭の部分だ。言葉が通じない世界に入り込んだ主人公・・・。
この物語の展開はまだわからない。読みながら眠ってしまったからだ。



安倍訪米、日米首脳会談。
「日本を取り戻す」と言い続けて来た彼は、結果、アメリカ追随、同盟強化という名の下のアメリカの属州のようになることを宣言した。
日本である沖縄を見捨て、中国を意識して、アメリカのアジア政策の尖兵となることを誓った。
やがて明らかにされるだろうTPP交渉の結果とて、アメリカのいいなりにほぼなるのだろう。
「日本を取り戻す」。その言葉にはもともと主語が無かった。何処からが無かった。それはアメリカからでは無かったということを証明したに他ならない。

安倍の“詭弁”その一だ。

「福島の再生無くして日本の再生は在り得ない」。選挙の時、二度にわたって大見得を切った。
福島の再生は、全くと言ってもなされていない。“詭弁”その二だ。

アメリカの上下両院で演説をした。そこで語られたのは祖父岸信介の思想の敷衍だ。
「戦後レジームからの脱却」。それは岸信介に回帰することだった。“詭弁”その三。

かくして、歴史名を残す宰相が誕生した。

演説は英語だった。オバマとの会談は通訳を介してだった。相いれない言葉の乖離というものがある。通訳がどういう表現をするかによって、その意味合いは変わる。

オバマが言ったとされる辺野古への柔軟な対応。それは記事にもされていたが、実際はグアム移転のことだった。

猛練習をして、晩さん会のスピーチで「ジョーク」とされ、歓迎されたと自賛する演説。
スピーチライターが練りに練って書いた演説。その演説原稿、ネットにあった写真では、日本の国会での演説と同じように、赤鉛筆で何回もなぞった英語の中に、日本語のト書きがあった。
「顔を上げて拍手を待つ」と。

10回ものスタンディングオベーションがあった。そうマスコミは伝える。安倍もフェイスブックにそんな自慢を書いている。
海外のメディアは伝える。立たない人もいた、拍手をしない人もいた。と。

安倍を取り巻く言葉の問題の数々。

安倍は「レッテル貼り」だと言い、沖縄県知事は「固定観念」という。

安倍の演説はどこの国民に向けられたものか。アメリカの議員や国民に向けられたものなのだろう。日本人に向けられたものなら日本語で話すべきだった。
そこには双方ともに通訳の、翻訳の問題はあるのだが。

この安倍訪米、その真相を知るには時間がかかるかもしれない。「専門家」はそれらを読み取るのに今は懸命だろうから。


多分、今夜もその本の続きを読む。何ページ進むかは眼精との勝負。旧日本人としての誇りを掛けて読みすすめてみる。SF小説もどきのその文学を。時代を表層したその文学を。

いま、頭を駆け巡っているのはジョージ・オーエルの「1984年」・・・。

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