きょう5月1日は「メーデー」と呼ばれる。労働者の祭典とも言われてきた。
それは外国から“輸入”されたものであったが、戦後、紆余曲折をたどっての
労働者の祭典、平和の祭典と呼ばれてきた。
記憶にあるメーデー。それは戦後の、講和条約発効後の皇居前広場での「血のメーデー」。メーデー参加者と警察が衝突して、多くの死者を出した事件。
当時のメーデーは例えば米よこせだの講和条約反対だのと、常に体制・反体制が衝突するものと相場が決まっていた。
そして、統一メーデーがあり、分裂メーデーが有りと。総評、社会党系主催のものもあれば共産党主催の物もありで。
そしていつの頃からか、そのメイン会場は代々木公園になったのであり。
そして29日には連合主催のメーデー中央集会。きょうは日比谷の野音で全労連主催の集会と。
はい、全くの主観を語ります。
連合って果たして何者だってこと。労働者の味方なのか体制にくみした組織なにかってこと。
このところのメーデーってさっぱりなんだかわからないのだ。
スローガンとしては「残業ゼロ法案反対、阻止」を訴えてはいるけれど。
総評が無くなり連合になり、日本の労働運動は衰退の一途をたどっているように思えてならない。
あらゆる産別労組に於いても。
安倍政権のメディアに対する不当な介入、恫喝。それに対してNHK労組の日放労は何をしてきたか。
民放労連は何を言ったか、したか。
連合は民主党支持なのか、そうではないのか。
横道にそれる話だが、昔、コンサートは労音主催と言うのが多かったんだけど。
総評のあった時代。「労働貴族」といわれる言葉があった。企業から給料を貰いながらの組合活動専従。組織率が高かったのだろう。労組は豊富な資金を持ち、組合事務局に人を何人も書記局員として雇い、総評幹部は、どこかで“権力”と通じており、優雅な暮らしをしていた。
昼飯は大方が芝の高級フランスレストラン、クレッシェンド。お得意様ですと店のマスター。そんな現場にも遭遇したことがあるし。
労働組合同士の「内ゲバ」が日常のようにあり、鬼の動労と国鉄は言われていたし。
29日の連合の集会。参加者は主催者発表で4万人。なんとも少なくなったもんだ。きょうの野音も人はぱらぱらだ。
経営側対組合側。その対決の構図もすっかり崩れた感があり。春闘の大企業大幅ベアには歓声が沸いていたし・・・。
そして、野党といわれる勢力も権力の亡者に成り果てたごとく。また来るかもしれない甘い夢を見て、結果、国民から見放されている。
民主党の衰退がそれを如実に物語る。雲散霧消の旧社会党、社民党。
統一地方選、議席を伸ばしたのは自民と共産・・・。公明ちょぼちょぼ。
権力と、国家権力と、厳然と毅然と対峙する組織があって、初めて国家は正常に機能するのだ。
労組や野党が出来なくなったことはマスコミに託されたはずなのにそれも呑み込まれてしまった。
この国はそういう意味では「健全」ではないのだ。
メーデーは日本では「休日」とはされていないはずだ。でも、世の中の感覚は休日。大型連休が連日言われ、テレビは何のためらいもなく、何処へ行くとか何をするとか、人出はどうだとか。
休みだ、休みだ。みんな行楽を楽しもう。行楽地へ行こう。
受け容れる行楽地はどうなる。宿泊施設含め、その地の人達は、労働者は、パートさんは、皆、働かされる。なにせ稼ぎ時。
ゴールデンウイークに休みが無かった人は・・・。他の日に休ませればいい。なんだい、それじゃ不定期雇用じゃないのかい。
この議論、主観的ですが、交通事故で年間5千人の人が亡くなっている。原発事故では直接死した人はいない。
どっちのリスクが大きいかっていうあのバカげた議論とどっか似通ってもいる。
きょうも15万人の避難者がいる。暮らしている。でも、数字として連日メディアに登場するのは行楽地の人出。
なんだべな、この国の国民的行事に乗り遅れまいとするこのありさまは・・・。
そうなんだよな。メーデーっていったい今はなんだべなと。
2015年5月1日金曜日
“チェルノブイリ”異聞
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