2015年6月25日木曜日

「聞いて、見て、知る」ということ

昨夜ある集まりのあと、友人数人と二次会に行った。
一人の友人が話し始めた。彼は成蹊大学の卒業生、母校愛に燃えている。
「あの学校っていい学校なんですよ。学園紛争とも無縁だったし。
でも、先輩のあに人は変ですね」」と切り出した。

酒が入ると彼は饒舌になる。

「僕は考えたんですけど、あの人の言っている集団的自衛権って、全部個別的自衛権の範囲内のことじゃないですか。無理があるんですよね。
去年、沖縄に行ったって言ったでしょ。家内も一緒だったんですよ。
空港から那覇市内までタクシーに乗ったんですが、その運転手さんは50年仕事をやっているそうで、子供の頃に沖縄戦を体験しているということで。
その運譚手さんの話を聞いていて家内は泣きだしてね」。

奥さんと相談して沖縄滞在の行程に戦跡やひめ百合の塔や、基地を見ることを組み込んだという。

知らなかった沖縄を聞いて、見て、知ったという。

もう一人の友人は母親の立場で話し始めた。濠の中で口をふさがれて窒息死した幼子の事などを。知っている範囲で。
そして言う。
「今頃だけなんですよね。沖縄の事をマスコミが熱心に伝えるのは。いつもは完全に無視しているみたい。常に伝えて欲しいな」と。

短い時間だったが、知っている限りの沖縄戦の実態や、米軍基地の話し。日米安保の話し、そして地位協定の話をした。

山梨や岐阜には海兵隊の基地があった。住民の反対運動でそれを無くした。
でも、その基地は無くなったのではなく沖縄に持って行かれたんだと。
戦後、日本中に米軍基地があった。規模はともかく福島にだって基地があった。

東京近郊だって、それこそ砂川事件の舞台の立川基地や今もある横田基地。朝霞、横須賀、多摩。戦争に負けた国は敵の基地だらけだったのだとも。
それらの多くは旧日本軍の部隊や訓練所があったところだったとも。

敗戦国であるイタリヤやドイツでも米軍基地はあるけれども、その地の「主権」はその国が持っているんだということも。地位協定のことに絡めて。

「僕はれっきとした自民党員なんですけれど、今回の国会でやりとりされていることはやはりおかしいと思うんです」と冒頭の彼。
「あの先輩を除いてはいい学校なんだけどな・・・」と繰り返す彼・・・。
「もう一回沖縄に行きたいな」とも。

23日の「沖縄の日」。那覇には多くの観光客がいた。
「観光で来ているんで、戦争に関係するところには行きません」と若いカップルが言っていた。

観光って何だろう・・・。

原発事故後、「ダークツーリズム」という言葉が一部の思想家や識者から言われたことがある。

「原発事故地観光化計画」と呼ぶのだそうだ。その「ダーク」というカタカナ語に抵抗を覚えた。観光と言う言葉の響きにも違和感があった。

//ダークツーリズムとは戦争や災害の跡といった人類の負の遺産を巡り、死者に追悼の意をささげ、現地の悲しみを共有する新しい観光のスタイルです。90年代後半に提唱されました。議論の発祥地の欧州では、既に旅行会社もツアー名に取り込むなどマーケティングとしても一般化しています。その代表地としてアウシュビッツ強制収容所があり、チェルノブイリがあります。
「観光」という言葉にレジャーを想起する人も多いと思いますが、広島と福島、あるいはチェルノブイリを巡ることで、戦争や事故の記憶、被ばく者、被災者の気持ちを受け止め、科学と社会の負の側面に思いをはせることができます。入り口は興味本位の人もいるかもしれませんが、帰る時には何かを受け取っていく旅を作ることが大事なのです//。

提唱者の一人が語っていた言葉だ。

その人の文脈の中には、言葉の中には沖縄は例示としては入っていなかった。

福島から沖縄を考えるということ。

成蹊大卒の彼も「風評被害」なるものを蒙った人の一人だ。自分の立場を越えて沖縄に心を寄せた彼。酔うと饒舌になる彼。でも、そんな友人がいてくれたことがことに感謝する。

酒を飲むのも悪くはないなとも。本音が出てくるのだから。

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